「日本企業を元気にする」、平井副社長

シスコが一部ルータのAPIを公開、統合アプリ普及を図る

2008/05/29

 シスコシステムズは5月28日、企業向け戦略について発表、同社の歴史上初めて、APIを他社に提供するプログラムについて説明した。

 マイクロソフトから転身したシスコシステムズ エンタープライズ&コマーシャル事業担当副社長の平井康文氏は、労働生産性が低いといわれる日本がさらに国際化、少子高齢化の波にさらされるなかで、企業を元気にすることを目指して事業を推進していきたいと抱負を語った。

cisco01.jpg シスコシステムズ副社長の平井康文氏

 同社が力を入れるのはデータセンターの変革、本社拠点におけるコミュニケーションの進化、支店やWANの機能強化の3点。このうち支店やWANの機能強化について、シスコは一部ルータのAPIをほかのベンダに公開、同社製品と統合的に利用できるソフトウェアの普及促進を図ると発表した。

 国内では7月に開始予定のこのプログラムでは、ソフトウェアベンダに対し、同社の支店向けルータ(Cisco 1841、Cisco 2800、3800 ISR)のAPIを提供する。具体的にはこれらの製品に搭載できるx86 CPUモジュールでLinuxを動かし、この上で稼働するソフトウェアがシスコのAPIを利用できるようにする。ネットワーク関連の情報を取得してソフトウェアの動作に反映させる、あるいはソフトウェア側からシスコルータを直接操作するといったことを実現する。

 特定業種向けアプリケーションでは、例えば電子カルテ・システムでカードリーダから読み込まれた患者や医療スタッフのID情報を用い、適切な情報センターに接続して基準に基づく暗号化によりデータの転送を図る、IP電話を利用したコールセンターの会話録音機能を提供するソフトでは、IP電話のセッションが始まったことを自動検知して、会話部分のデータを抽出して記録する、などが可能になるという。

 同社はまた、小規模な拠点向けの統合ルータの新製品「Cisco ISR 880/860シリーズ」を発表した。米国の推奨小売価格は449ドルからと安価な製品だが、ファイアウォール、URLフィルタリング、VPN、IPSといった機能を搭載する。IEEE 802.11nドラフト2.0準拠の無線LAN機能を搭載した製品も提供する。

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(@IT 三木泉)

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