ジュニパー、「MXシリーズ」新製品を発表
3年間で水力発電所5.8カ所分節電できるイーサネットルータ
2007/09/26
ジュニパーネットワークスは9月26日、イーサネットに特化した通信事業者向けルータ「MXシリーズ」の新製品「MX480」「MX240」、新しい「DPC(Dense Port Concentrator)モジュール」2種類を発表した。ジュニパーネットワークス サービスプロバイダーマーケティング マネージャー 佐宗大介氏は、「低消費電力がウリの1つ。国内のL3スイッチをすべてMX480に置き換えると、3年間で延べ約11万kW、水力発電5.8個分の電力を節約できる」とアピールした。

MX480とMX240は、2006年10月に発表された「MX960」と同じMXシリーズの新製品。従来のM/Tシリーズなどと異なり、イーサネットに特化した点が特徴だ。「JUNOS」を搭載し、VPLSやレイヤ2スイッチング機能、OAM(Operations、Administration、Management)機能などを備える。
佐宗氏によると、現在のキャリア向けイーサネットの市場は大きく変わってきているという。イーサネットはそもそも、LANなどミッションクリティカルな度合いの低いものに用いられていた。しかし、最近ではキャリアのバックボーンなどで利用されるケースが増えてきたという。その背景には、「国内のネットワークトラフィックは、年間80〜100%の伸びで増加する一方だ。つまり、年々トラフィックは倍増している。それに伴い、安価で大容量なイーサネットが注目・採用され始め、コアネットワークレベルのアベイラビリティを求められるようになってきた」という。
MX480は最大スループット480Gbpsのモデルで、8Uの筐(きょう)体にDPC用スロットを6個備える。MX240は最大スループット240Gbpsのモデルで、5Uの筐体にDPC用スロットを3個備える。佐宗氏は、特徴について「ポート密度が高いため、スループット当たりのスペース消費電力を削減できる点が特徴だ。消費電力は従来製品比で50%以上の削減が可能だ。国内のシャーシ型レイヤ3スイッチをすべてMX480に置き換えたと仮定すると、2005年〜2007年の3年間で延べ10万9583kW、水力発電所5.8カ所の電力を削減できる」とアピールした。
DPCは、従来の「DPC-R」の廉価版に当たる「DPC-X」が発表された。10ギガビットイーサネット×4とギガビットイーサネット×40の2モデルを用意。DPC-Rは、レイヤ3ルーティングとレイヤ2スイッチングの両方の機能を備えるのに対し、DPC-Xはメトロイーサネットのトランスポート向け機能とアグリゲーション用のユーザー収容機能に絞り込んだ点が特徴だ。レイヤも2/2.5対応とすることでDPC-Rと比べて約30%価格を抑えた。
「DPC-EQ」は、QoS機能を強化したモデル。DPC-EQを利用することで、VLANごとのQoSをきめ細かくサポートすることができる。1枚で最大6万4000のVLANを収容可能。佐宗氏は、「例えば、『頻繁に利用しているユーザー』や『エンタープライズのユーザー』などをグループ分けして、それぞれに対してきめ細かいQoSを設定することができるようになる」と説明した。
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