「ロケーション・インテリジェンス」の浸透へ
地図と企業情報システムの新しい関係、ピツニーボウズ・マップインフォ
2007/09/07
Web上での「地図もの」サービスは、開発元の積極的なAPIの公開によって、さまざまなマッシュアップサービスを生み出している。これらのサービスのほとんどすべてがユーザーを個人に設定したサービスだ。しかし、運送会社を始めとして、地図情報を企業活動に応用する企業は少なくない。ピツニーボウズ・マップインフォ・ジャパンは、地理情報システム(GIS:Geographic Information System)の企業システムへの応用で独自のノウハウを持つユニークな企業である。

9月下旬に同社は「MapInfo Professional v9.0 日本語版」を発売する。位置情報を含むデータを活用して企業の意思決定を支援する地図ベースのソフトウェア製品の最新バージョンである。同社では、商圏分析のほか、不動産などの資産管理、物流計画、災害対策といった用途での利用を推奨(すいしょう)している。
地図上にマッピングした位置情報とデータベースに蓄積したデータを活用して、企業活動の意思決定支援を行うというコンセプトを同社は「ロケーション・インテリジェンス」という造語で表現している。GISを企業の情報システムとして適用していくという同社の企業理念が、この造語に込められている。
最新バージョンで追加した機能は大きく3つ。
1つ目は道路のカーブに沿って、位置情報のラベルを表示できるようにした点。
2つ目はデータ形式に時間をサポートするデータ型を追加したこと。位置情報を時間と共に相互的に扱えるようになる。これにより、交通渋滞や交通事故、GPS情報と関連した移動体情報など、場所と時間を掛け合わせたダイナミックなデータ分析が可能になる。
3つ目はアクセスできるデータ形式の拡張。これまでデータのインポートやエクスポートは「Universal Translator」というツールを使用して行っていたが、新バージョンからは、DXF、DWG、DNGといったCADフォーマットへの読み込みが可能となった。
従来、同社製品はアルプス社が国内で独占販売を行ってきたが、2007年からピツニーボウズ・マップインフォ・ジャパンが主体的に国内の販売事業を展開する体制に移行した。その意味では、2007年は同社にとって新たな出発点ともなる年である。「ロケーション・インテリジェンス」のコンセプトの市場への浸透を含め、「マーケティング活動の強化がまずは同社の課題になる」と同社 代表取締役社長の堀康ニ氏は話す。
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