ウェブメソッド買収後の戦略を説明

ソフトウェアAGは「SOAガバナンス」を指向する

2007/07/18

 ソフトウェア・エー・ジーは7月18日、報道関係者向けブリーフィングを開催し、同社の製品戦略について説明を行った。

 同社は6月、ウェブメソッド社の買収を完了した。マーケット・デベロップメント担当副社長 マット・ダーハム(Matt Durham)氏は冒頭、今回の買収がもたらす効果を次のように強調した。

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 「ウェブメソッドとの合併により合計で4000社以上の顧客を抱えることになり、2007年の総収益は約6億5000万ユーロ(1092億円)を見込んでいる。近い将来には10億ユーロ(1680億円)に達すると見ている」(ダーハム氏)

 また、旧ウェブメソッド製品のロードマップ概要についても説明が行われた。同社製品は今後、SOAスイート製品群と、メインフレーム向けデータベース「Adabas」やプラットフォーム非依存の開発言語「Natural」を中心としたエンタープライズ・トランザクション・システム(ETS)製品群に分かれる。SOAスイート製品群は、同社が従来持っていた「Crossvision」、「CentraSite」などのSOAスイート製品と旧ウェブメソッド製品、それぞれの強みを組み合わせ、ウェブメソッドのブランドで「SOAガバナンス」(SOA Governance)と呼ばれる新たなSOA統合ソリューションを顧客に提供していくという。両製品の相互運用性の検証は2007年9月までに終え、2008年6月までに単一のスイート製品へ統合する予定。また、旧ウェブメソッド製品の既存ユーザーに対しては今後もサポートを継続し、将来のアップグレードパスおよびマイグレーションパスも提供していくという。

 AdabasやNaturalなどで構築された基幹システムとSOAガバナンスを橋渡しすることで、SOAによるレガシーシステムの有効活用を図る「レガシー・モダナイゼーション」(Legacy Modernization)が同社の今後の重要な製品戦略の1つとなる。「レガシーシステムをリプレース、アウトソーシングするより、維持しながら現状のビジネスにうまく適応させていくアプローチをユーザーは望んでいる」とマーケット・ディベロップメントディレクターのジム・ホウラー(Jim Fowler)氏は説明する。「レガシー・モダナイゼーションによりレガシーシステム上の重要なビジネスルールとデータがサービスとしてSOAに組み込まれ、さらにSOAガバナンスにより最大限の効率を発揮する。このことにより、レガシーシステムはさらに有効に活用されることになる」(ホウラー氏)

 最後に、日本市場における今後の活動について説明が行われた。日本法人は昨年末に営業を開始したが、それまでは代理店経由によるビジネスが行われていた。日本法人代表取締役の福島徹氏は「国内顧客の引き継ぎも完了した。今後はウェブメソッドとの合併による新体制をいち早く整え、市場に対し強いメッセージを発していきたい」と抱負を語った。

(@IT 吉村哲樹)

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