sdlは順調に推移しており、フェイズ2に突入
インテルが指針策定、シニア向けPCは「指1本で操作」
2007/07/03
インテル、ビットワレット、マイクロソフトの3社は7月3日、3社が共同で実施している「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」(以下、sdlプロジェクト)に関する活動報告会を開催した。また、インテルは、同プロジェクトの一環として、シニア世代向けにユーザーインターフェイスなどを簡単にしたシニア向けPCやインターネットサービスの技術要件を策定したと発表した。
インテル、ビットワレット、マイクロソフトの3社は、2006年6月に電子決済や電子認証における非接触ICカード技術「FeliCa」の普及を目的としてsdlプロジェクトを発足。共同マーケティングを展開してきた。

FeliCaを推進する理由は、FeliCaが匿名のプリペイドカードとしての性格を持ち、カードをFeliCaリーダーにかざすだけで、ユーザーIDやパスワードを入力せずに簡単な決済が行えるからだ。このため、キーボード入力が苦手な人や、個人情報の流出を恐れて電子商取引を行いたがらない人でも、オンラインショッピングやインターネット経由のコンテンツ利用が行えるメリットがある。
インテルの吉田和正共同社長は、この1年間でICカード・電子マネーを取り巻く環境が大きく変わったとアピール。「ネットショッピング大手のAmazon.co.jpでEdyが採用されたことや、ファミリーマートやローソンでも7月から利用可能となる。また、パスモやnanacoなど多くの電子マネーが登場し、非常に活気付いた」とコメント。リアルの生活で電子マネーを利用する「フェイズ1」から、インターネットなどサイバー空間でも利用する「フェイズ2」へ移行しつつあるとした。
実際、インターネットでの利用を促進するために、“主婦やシニア層”といった比較的デジタルデバイドが心配されているターゲットに向けての施策を実施。さらに、新利用モデル開発に注力した。例えば、主婦やシニア向けサービスの実証実験を行ったほか、つくばエキスプレス(TX)沿線でエリアポータルと沿線店舗連携を実施するなど、さまざまな取り組みを行った。

さらにインテルはシニア世代を中心とした“パソコン非利用者”に対する導入促進として、シニア向けのガイドラインを策定。ガイドラインに沿ったハードウェアやサービスの商用化を目指す。例えば、タッチパネルを採用し“指一本で操作できるPC”としてPBJからタブレット型PCが9月に発売開始されるほか、シニア世代向けにデザインを一新したサービス「小僧.com」「Oisix」「JTAテニスオンライン」などが7月より開始される予定だ。吉田共同社長は、「実証実験やインタビュー結果を参考にして、シニア向けに使い勝手をとにかく向上させた。今後、業界各社の協力を得てこのガイドラインを普及促進させていきたい」とコメントした。
これらの施策を行った結果、sdlプロジェクトが2006年6月に揚げた目標も順調に達成した。「FeliCa対応のオンラインサービス数を1400サイトから3000サイトと約2倍に」は2006年12月時点で達成。「FeliCa決済によるオンライン取引高約2倍」も2007年5月に達成した。また、「FeliCaリーダー/ライター搭載PCや外付けリーダー/ライターの年間出荷数を、2005年度の100万台から300万台に」も、2007年度末までに達成見込みだという。
吉田共同社長は、「現在のフェイズ1から、サイバーリアル連携やインタラクティブ性などを向上させたフェイズ2へ今後移行していく。そして、電子決済やスマートデジタルライフがさらに便利になっていく。今後も3社で協力し、フェイズ2をさらに加速させていきたい」と意気込みを語った。
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