豊富なソフトと低価格を武器に日本市場へ、米ASG

2002/10/22

ASGの日本支社と極東地区代表に就任した小野寺康一氏。製品のローカライズのための部門を国内に設置するという
 メインフレーム向けソフトウェアを開発、販売してきた米Allen Systems Group(ASG)は、これまでの代理店販売から直接販売に転換し、国内市場に本格的に参入すると発表した。武器とするのは豊富なソフト製品のラインアップと低価格という。果たして、日本で顧客企業を拡大することができるだろうか。

 ASGの社長兼CEO アート・アレン(Arthur Allen)氏は、ASGの特徴について「企業システムのさまざまな分野を担当するソフト製品が150以上ある。メインフレーム環境では複数ベンダのソフトが同時に利用されているが、ASG製品だけでシステム全体をカバーすることができる」と述べた。システムの管理をASG製品だけで担当することで、トータルコストを抑えることができるという。アレン氏は「複数ベンダのソフトを使うことと比較して、ASGの製品を使えば最大で10%までコストを抑えることができる」と強調した。

 ASGは、メインフレームでさまざまなベンダのソフトが混在する環境を管理できるツールを提供する。アイデンティティ管理やアプリケーション管理、オペレーション管理のツールを提供。パフォーマンス管理のツールではWebベースを含む、ほとんどのアプリケーションをリアルタイムに監視して、システムのパフォーマンスを確認できる。インフラ管理はトランザクションを常時監視して、システムに影響を与えるような問題を発見し、解決する。監視できるのはWebのほかに、ミドルウェアやデータベースなど。製品はそれぞれファミリに分かれていて、製品数は150以上になるという。

 ASGは日本への本格進出のためにコンコルド・コミュニケーションズ日本法人の元社長 小野寺康一氏を、ASG日本支社と極東地域の代表に抜てきした。小野寺氏は日本でのASGの戦略について「顧客満足度を向上させることが第一。顧客の声を聞くために、これまでの代理店販売から転換して、直接販売を強化する」と説明。現在8人のスタッフを早い段階で35人まで増員する予定だ。2005年までに日本での売り上げを50億円にすることが目的だ。

 厳しい経済環境の中、企業は安定稼働しているメインフレームに対して新たな投資を抑えている。製品の豊富さとコストダウンを武器にASGが日本で受け入れられるかどうか、注目を集めそうだ。

(垣内郁栄)

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Allen Systems Group

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