以下は、Windows XPベータ2 日本語版に付属する機能ガイドより、Windows XPの新機能をまとめたものである。このベータ2に続き、2001年7月2日に英語版のRC1がリリースされた。ベータ2に対し、このRC1で追加された新機能については、「Windows XP RC1で追加された新機能」のページを参照されたい。
| No. | 新機能/改良された機能 | 内容 | H | P | S | 
| 76 | プロダクト・アクティベーション(ライセンス認証) | ソフトウェアの不正コピーを防止する技術。プロダクトIDとハードウェアID(自動生成される)をマイクロソフトの認証センターに送付し、インストールIDを取得することで、ソフトウェアを有効化(アクティベート)する。いったんアクティベートされたプロダクトIDは、異なるハードウェアID(つまり異なるハードウェア)と組み合わせて再アクティベートすることはできない(→詳細記事はこちら) | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 77 | ディスク・デフラグ・ツールの機能強化 | ディスク・デフラグ・ツールの機能が拡張され、コマンド・ラインからも利用可能になった。スクリプトを組み合わせることで、従来は不可能だったデフラグメント処理のスケジュール実行が可能になる | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 78 | アプリケーションの互換性強化 | アプリケーションによるOSバージョンの認識間違い、解放されたメモリ領域への参照などのアプリケーション固有の問題点を解決するAppFixes機能を追加。AppFixesは、アプリケーションの非互換問題などに関するデータベースを使用する。このデータベースは、自動アップデート機能によって常に最新に保たれる。またアプリケーションのプロパティ設定により、特定OSバージョンの互換モードでそのアプリケーションを実行するようにできる | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 79 | 「応答なし」になったアプリケーションの操作 | アプリケーションが「応答なし」の状態に陥った場合でも、そのアプリケーション・ウィンドウの移動、サイズ変更、最小化、クローズなどを実行できるようにした。これにより、問題を起こしたアプリケーションをじゃまにならないところに移動して応答を待ったり、強制終了したりすることが容易になった | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 80 | オフライン・ファイル・データベースの暗号化 | 従来のWindows 2000では不可能だったオフライン・ファイルの暗号化を可能にした | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 81 | 「開く」ダイアログでのデジタル・スチル・カメラ、スキャナ・サポート | 「開く」ダイアログがデジタル・スチル・カメラやイメージ・スキャナなどのWIAデバイス対応となった。これにより、WIAに直接対応していないアプリケーションでも、「開く」ダイアログを利用していれば、デジタル・スチル・カメラやスキャナなどから直接データを読み込むことが可能になった | 〇 | 〇 | × | 
| 82 | IME Ver.8 | ユーザー辞書をネットワーク先に配置し、クライアントからの読み書きを可能にした(Windows 2000では読み出しのみのサポート) | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 83 | IME(韓国語向け) | ハングル文字、Hanjaの手書き入力サポートなどを追加 | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 84 | MSPY 3.0 IME(中国語・簡体字) | Windows 2000に付属するMSPY2.0 IMEから使い勝手や性能を向上させたMSPY3.0 IMEを搭載 | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 85 | 新しいPhonetic IME(中国語・繁体字) | 繁体字対応の中国語キーボードから、より正確で素早い入力を可能にする。手書き認識機能を追加 | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 86 | 自動プロキシ設定用ファイルの作成 | ノートPCを自宅のネットワーク(プロキシなし)と会社のネットワーク(プロキシあり)の双方に接続する場合でも、適切なプロキシ設定を自動的に行えるようにする接続マネージャ用プロファイルを作成する(Serverのみ) | × | × | 〇 | 
| 87 | 接続マネージャのログ記録 | 接続マネージャ用プロファイルを使用してクライアントがネットワークに接続するとき、設定処理の内容をログとして残せるようにする。これにより、迅速かつ正確なトラブル・シューティングが可能になる(Serverのみ) | × | × | 〇 | 
| 88 | 接続マネージャでのVPNサーバ選択 | 複数のVPNサーバが存在する環境で、接続マネージャ・プロファイルを使用するとき、ユーザーが接続するVPNサーバを選択可能にする(Severのみ) | × | × | 〇 | 
| 89 | CGIの非同期実行(IIS) | IISでのCGI実行において、CGIを実行するスレッドを非同期に実行可能にした。従来のIIS 5では、CGIプロセスの処理完了まで、対応するスレッドはブロックされていた(Serverのみ) | × | × | 〇 | 
| 90 | 完全に分離された環境でのアプリケーション実行(IIS) | IIS 6では、アプリケーションの全コードをそれぞれ独立した環境で実行可能にする「dedicated application mode」をサポート。これにより、Webサーバの信頼性を向上させ、メンテナンスやトラブル・シュートを容易にする(Serverのみ) | × | × | 〇 | 
| 91 | プロセスのオンデマンド実行(IIS) | Web Administration Service(WAS)の機能により、アプリケーションのプロセスをプールしておき、必要に応じて(そのプロセスに関連するURLがアクセスされたときなど)プロセスを実行する(Serverのみ) | × | × | 〇 | 
| 92 | バンド幅制限機能の改善(IIS) | OSが持つ機能を使ってIISの帯域幅制限を実現する。これによりIPアドレスやポート番号が同じでも、ホストヘッダによって複数のサイトを実現している場合に、それぞれのサイトに個別に帯域幅制御を行い、さらに各サイトに同時にレスポンスを返すことができる(IIS5.0ではシリアライズされる)(Serverのみ) | × | × | 〇 | 
| 93 | カーネル・モード・キューイング(IIS) | カーネルモードでHTTP要求を受け付け、それをW3SVCサービスのキューへ渡すプロセスの導入により、IISのユーザモード・コードがクラッシュしても、その影響を受けることなくユーザー要求を受け続けることができる。またパフォーマンスも改善される(Serverのみ) | × | × | 〇 | 
| 94 | ネットワーク・ブリッジ機能 | Windows XPをネットワーク・ブリッジとして機能させ、無線接続やダイヤルアップ接続、イーサネット接続など、異なるインターフェイスによって構成される異なるネットワーク・セグメント同士を接続し、相互に通信可能にする | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 95 | RASクライアントのTCP/IP名前解決 | NBT(NetBIOS over TCP/IP)ゲートウェイ機能。これにより、WINS/DNSサーバを持たないLANにアクセスするRASクライアントによるTCP/IP名前解決が可能になる(Home Editionは未サポート) | × | 〇 | 〇 | 
| 96 | ネットワーク・デバイス・ドライバの拡充 | イーサネット、IEEE 802.11、HomePNA、ケーブル・モデム、ADSL、ISDN、V.90モデムなど、主要なネットワーク・デバイス・ドライバをサポート | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 97 | ICSにおけるTCPウィンドウ・サイズの自動調節 | インターネット接続共有(ICS)環境における、TCPウィンドウ・サイズの自動的な調節。LAN向けの大きなTCPウィンドウ・サイズをそのままダイヤルアップ回線に適用するとTCPのパフォーマンスが悪くなるので、これを調整して最適なパフォーマンスが得られるようにする(Serverのみ) | × | × | 〇 | 
| 98 | ターミナル・サービスにおける音声のリダイレクト | ターミナル・サービスを利用したアプリケーション実行において、オーディオ・データも利用可能にする。この際、可能ならUDPを使用し、データ転送にかかる負荷を最小限に留める | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 99 | ターミナル・サービスにおけるリモート・デスクトップへのリソースのリダイレクト | Windows XPベースまたはRDP 5.1対応のクライアントから、ターミナル・サービスのリモート・デスクトップ機能を使用するとき、リモート側のアプリケーション内で、クライアント側のファイル・システムやシリアル/パラレル・ポート、プリンタなどのリソースにアクセスできるようにリダイレクトする。またオーディオ再生をクライアント側で行ったり、クリップボードを使ったデータ交換を可能にしている。ターミナル・サービス用APIが用意され、アプリケーションからリソースのリダイレクトを制御できるようになった | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 100 | ターミナル・サービスにおける解像度/カラー・サポートの強化 | ターミナル・サービスを利用したリモート・デスクトップ・クライアントにおいて、利用可能な同時表示色数が16色〜True Colorまでに、利用可能な解像度は640×480ドット〜クライアントでサポートされる最大解像度までに拡張された | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 101 | NetCrawlerによるネットワーク・プリンタ・アクセス | NetCrawlerはネットワーク(Workgroupネットワーク)に不慣れなユーザーが簡単かつ自動的にネットワーク・プリンタを公開したり、設定したりできるようにする機能 | 〇 | 〇 | × | 
| 102 | ウイルス対策機能の強化(Outlook Express) | 電子メールの送信時にユーザーがそれを認識できるようにする、ウイルスの可能性があるファイル・タイプを指定し、それらの添付ファイル開いたり保存したりできないようにする、などのウイルス対策機能が強化された(ただし後者ではIEAKが必要) | 〇 | 〇 | × | 
| 103 | SharePoint機能を備えたWebサーバ | Office XPで提供されるSharePoint機能を備えたWebサーバ。これにより例えばホーム・ユーザーは、他の家族ユーザーや、遠隔地からリモートアクセスするユーザーに対し、最新情報を提供したり、家族の写真を公開するなど、高機能なWeb情報サービスを提供できるようになる | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 104 | ストリーミング・オーディオの拡張(TAPI) | 新しいコーデックの導入による品質と相互運用性の改善、DirectSoundサポートによるレイテンシとミキシング機能の改善などを施し、音声を使ったカンファレンシングをより円滑に行えるようにした | × | 〇 | 〇 | 
| 105 | IPストリーミング用サービス・プロバイダの改善(TAPI) | TAPI Ver.3マルチキャストおよびH.323サービス・プロバイダのストリーミング機能、管理機能を改善。低バンド幅の回線や低性能のシステムを使った動画/音声利用の改善、音声/ビデオ・デバイスの容易な設定などを実現した | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 106 | ストリーミング・ビデオの拡張(TAPI) | IPベースのビデオ・カンファレンシングにおけるストリーミング品質の改善。新しいコーデックの搭載やDirectDrawサポートにより、動画品質や描画性能を改善した | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 107 | 障害発生情報の送信 | ブルー・スクリーンによる障害発生時、次回のシステム起動時に障害情報をネットワーク経由でマイクロソフトに送信可能にする | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 108 | デュアル・ビュー機能のサポート | 単一のディスプレイ・アダプタで2つのインターフェイスをサポートしている一部のハイエンドディスプレイ・カードや多くのノート型PCにおいて、デュアル・ビューを可能にする。これにより例えばノートPCなら、標準の液晶ディスプレイと外部ディスレイの2つを使用して、デュアル・ビュー環境を構築できるようになる。ただし、Home Editionでは未サポート | × | 〇 | 〇 | 
| 109 | 赤外線接続を経由したイメージ・データ転送 | 赤外線接続を経由して、あるコンピュータから別のコンピュータにイメージ・データを転送可能にした | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 110 | DVD-RAMでのFAT32ボリュームの利用 | DVD-RAMディスクに対し、スーパーフロッピー形式のFAT32ボリュームとしてフォーマットして、マウント、利用できるようにした | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 111 | 転送モード変更時のリセット処理 | 従来のWindows 2000では、デバイス・マネージャで転送モードを変更したときには、システムの再起動が必要だった。これに対しWindows XPでは、転送モード(PIO/DMAモード)を変更しても再起動が不要になり、転送モードの自動設定が可能になった | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 112 | DVDおよびCD-RWドライブでのデフォルトDMA設定 | DVDおよびCD-RWドライブにおいて、DMA設定をデフォルトでオンにした | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 113 | IDEチャネルの転送モード表記 | デバイス・マネージャのIDEチャネルのプロパティにおいて、正確なDMA転送モード(単なる「DMAモード」ではなく、「UDMAモード4」など)を表示するように改良した。従来のWindows 2000ではDMAモード、PIOモードの表記のみだった | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 114 | IrComm対応 | IrCommインターフェイスを持つ携帯電話とPCを赤外線接続し、携帯電話をあたかもモデムのように使用して、ネットワークアクセスを可能にする | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 115 | Wake on LAN(WOL)機能におけるWOLパケット選択の改善 | Wake-upイベントとなる全パケット・パターンでのウェイクアップ、マジック・パケットのみのウェイクアップ、WOLの無効化に対応。きめ細かなWOL動作を可能にした | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 116 | IEEE1394 SAP(Stack Secure Audio Path) | IEEE 1394バスを経由して送られる、デジタル著作権管理機能(DRM:Digital Rights Management)が適用された音楽などの著作物に対し、DRM情報を取り除くことなく、保護されたままの状態で安全にデータをやり取りする機構の実現。DRM情報が取り除かれた後のデータを読み出すような、特別なフィルタ・デバイスの挿入などを防ぐことにより、Windows XPをオーディオ・ビデオ・デバイスのコントローラやブリッジ、データ・ソースとして機能させられるようになる | 〇 | 〇 | 〇 |