
岡田 大助
@IT編集部
2007年3月15日
■2分 − EPCの出発点、タグとリーダ
EPCglobalでは、タグやリーダ、通信プロトコルに関する仕様も決めています。タグやリーダの分類については、前身であるAuto-IDセンター時代に以下のように発表されました。
クラス0 | パッシブタグ | 製造時にEPCが埋め込まれるリードオンリータグ |
クラス1 | パッシブタグ | 出荷後に一度だけEPCを書き込めるライトワンスタグ |
クラス2 | パッシブタグ | リライタブルタグ、暗号化機能など |
クラス3 | セミパッシブタグ | センサー用などに電源を持ったパッシブタグ |
クラス4 | アクティブタグ | タグ間でネットワークが構築できる |
クラス5 | リーダ | パッシブタグに電力を供給。アクティブタグとはネットワークを構築 |
Auto-IDセンターは、クラス0のUHF帯(900Mhz)タグ、クラス1の13.56Mhz帯タグ、UHF帯(860〜930MHz)タグを標準化しました。しかし、クラス0のUHF帯タグ(Matrics、現Symbol Technologies製)とクラス1のUHF帯タグ(Alien製)の仕様に互換性はありませんでした。
そこでEPCglobalは、860〜960MHz帯を使うUHF帯タグの標準を第2世代(Generation 2)として定めました(Class 1 Generation 2 UHF Air Interface Protocol Standard Version 1.0.9、PDF)。Gen2とかクラス1ジェネレーション2(C1G2)といわれているものです。第2世代では、通信速度や同時読み取り数が向上し、Killコマンドなどプライバシー対策が実装されました。さらに、ISO/IEC 18000-6 TypeCとして承認されています。
今後は、クラス2のパッシブタグやアクティブタグの仕様策定が進むものと考えられます。
なお、リーダとアプリケーションとの間のプロトコルは、リーダプロトコル標準(Reader Protocol Standard, Version 1.1、PDF)として公開されています。さらに、リーダプロトコル標準を補足する形で、リーダを制御したり監視するためのツールのインターフェイスがリーダマネジメント標準(Reader Management Standard, Version 1.0、PDF)として発表されています。この2つは、次ページで説明するミドルウェア部分と密接に関係しています。
現在、Low Level Reader Protocolと呼ばれるリーダに関する新しい標準の策定作業が進められています。これは、C1G2プロトコルをより細かく制御することを目指すものです。
2007年5月10日追記 2007年4月24日、EPCglobalは「Low Level Reader Protocol (LLRP), Version 1.0、PDF」を発表しました。 |
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