連載 PCメンテナンス&リペア・ガイド
第2回 PC本体にアクセスしてハードウェア構成を調べる
コラム:プロセッサの種類やクロック周波数をフリー・ソフトウェアで特定する
林田純将
2001/03/24
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前回、Windows 2000上からでも調べられるハードウェア構成の調べ方について触れ、プロセッサの種類についても管理ツールで表示できると書いた。ただ、標準の[コンピュータの管理]ツールでは、プロセッサの種類として、「Family」や「Model」などといったID番号しか表示されない。これでは、自分のPCのプロセッサがPentium
IIIなのか、Celeronなのかさえ分からない。そのため前回では、プロセッサ名とIDの対応表を掲載した。
しかし、オンライン・ソフトウェアを使えば、もっと簡単にOS上からプロセッサのチェックが可能だ。前回の補足として、プロセッサのさまざまな仕様を明らかにするソフトウェア「WCPUID
Version 3.0」を紹介しよう。このソフトウェアを利用すれば、自分のPCに搭載されているプロセッサの種類やクロック周波数はもちろん、内蔵のキャッシュ・メモリの容量や対応する命令セットまで、非常に詳細にプロセッサについて調べることができる。また、WCPUIDは基本的にはプロセッサの種類や動作クロックを調べるものだが、チップセットやマザーボードに関する情報も収集できる。こうしたハードウェアの情報を詳しく調べたい方も、ぜひ、このソフトウェアを試してみてほしい。
WCPUIDの入手方法と使い方
WCPUIDは、作成者のH.Oda!氏がホームページにて公開しているフリー・ソフトウェアである。2001年3月15日の時点では、最新版のバージョン3.0がダウンロード可能だ。インストールは、WCPUIDのアーカイブ・ファイルを実行して適当なフォルダ(例えばC:\Program
Files\WCPUID)に解凍するだけだ。そのフォルダに解凍されたファイルの中からWCPUID.EXEを実行すると、WCPUIDが起動する(以下の画面)。
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WCPUIDを起動した直後の画面 |
WCPUIDは、PCに搭載されているプロセッサの種類やクロック周波数などを、Windows上から調べるためのユーティリティである。これは筆者のPC(デルコンピュータ製Dimension
4100)でバージョン3.0を起動したときの画面だ。 |
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「Vender String」や「Family」などの欄に表示されている値から、自動的にプロセッサの種類が判定される。また、プロセッサのソケット形状も「Platform」から知ることができる(ここではSocket
370であることが分かる)。 |
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プロセッサのクロック周波数は、この欄から知ることができる。いわゆるプロセッサのクロック周波数は「Internal
Clock」に表示される(正確にはプロセッサ内部のコア部分におけるクロック周波数、つまり内部クロックを意味する)。また「System
Clock」はFSBを実際に駆動しているクロック信号の周波数(外部クロック)を表している。「Multiplier」は内部クロックと外部クロックの倍率のことである。なお、表示されるクロック周波数は、公称値のように区切りのよい値にはならない場合があるので注意したい。 |
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クロック周波数が明らかに異常な値を示しているときは、この[Analyze]ボタンを押して再調査させるとよい。 |
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このボタンを押すと、プロセッサがサポートしている命令セットの詳細が表示される。→ へ |
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WCPUIDによるプロセッサの詳細機能の調査結果 |
このようにWCPUIDは、クロック周波数だけではなく、プロセッサがサポートしている命令セットなども表示してくれる。かなり詳細なスペックを調べることが可能だ。
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