Database Watch 12月版 Page 2/2

人気ダントツのORACLE MASTER、
新制度を解剖する


加山恵美
2004/12/14

DB2にはDB2グローバルマスター

 次はIBMのDB2試験です。かつては「IBM DB2 UDB技術者認定制度」でしたが、いまは「DB2グローバルマスター」と呼ばれています。2004年いっぱいはDB2 スキル・パワーアップ・キャンペーンをしていて、無償のセミナーを開催したり、資格試験の受験割引チケットなどが提供されています。

 DB2グローバルマスターはORACLE MASTERと対比すると覚えやすいです。最も入門レベルに位置してバージョンを特定しないのが、DB2アドバイザーです。これだけは国内資格なので(より上位の資格はワールドワイド認定)、ORACLE MASTERのSilver Fellowに似ています。DB2アドバイザーよりも上位は、DB2エンジニア、DB2エキスパート、DB2アドバンスト・エキスパートというレベルが設けられています。すべてCBT試験です。最難関のDB2アドバンスト・エキスパートはDB2 V8のみです。これは実技試験を伴わない最難関ということで、ORACLE MASTERに当てはめるならGoldに相当するかもしれません。

 またDB2エキスパートでは、管理、開発、BI(ビジネス・インテリジェンス)の3分野に分かれています。そういえばORACLE MASTERもOracle9iではDBA(データベース運用管理)のほかにアプリケーション開発などのトラックもありましたね。今後はOracle 10gでも別のトラックで試験が出てくるかもしれません。

 ついでにいえば、IBMのデータ管理に範囲を広げると、対象製品はDB2だけではありません。そのため、IBMにはデータベースに関連したほかの試験もあります。Content ManagerInformixです。業務次第ではこちらを目標にするのもいいでしょう。

Microsoftのデータベース資格ならMCAとMCDBA

 もう1つはMicrosoft試験です。Microsoft試験はMCP、MCA、MOT、MSS、MCSCなどたくさんありますがエンジニア向けでデータベースに特化した試験となるとMCAのデータベースとMCPのデータベース管理トラックMCDBAの2つが挙げられます。MCAとMCPは分野ごとに試験が細分化されており、それぞれにデータベース試験が設けられています。では両者の違いは何かというと、難易度と製品知識の比重です。MCAは製品に限定されない広範な基礎知識を問うのに対し、MCPでは難易度が高くSQL Serverの製品知識に重点が置かれています。MCAをMCPの前段階と考えてもいいでしょう。しかしMCAは単なるMCPの簡易版というだけではなく、MSSやMOT試験といった別の試験との架け橋のような位置付けにもなっています。

 MCAは現在4分野あり、それぞれ対応する試験に1科目合格すれば資格が取得できます。一方、MCDBAは必須3科目と選択1科目、合計4科目に合格しなくてはなりません。MCDBAはSQL Server製品に特化した試験に加え、ネットワークスキルを問う試験も必須科目となっています。選択科目にはアプリケーション開発関連の試験も見られます。MCDBAは難易度もさることながら、データベース以外も準備しなくてはならないようになっています。実際にはデータベース知識だけでは業務はできませんから、受験のためだけの勉強になることはないと思いますが、難関のようです。

 なお、Microsoftの試験はどれも試験センターで正答を選ぶCBT形式で、世界共通のプログラムなので資格を取得すれば他国でも通じる認定となっています。

どれを狙うか、ベンダ資格

 ベンダのデータベース製品には、どれも製品に対応した認定資格が用意されています。業務で扱っている製品に応じた認定資格を目標にスキルを高めるのもいいでしょう。業務で鍛えたスキルの腕試しでもよし、スキルを受験勉強で補強するのもよしです。

 参考までにこれまで挙げたベンダ試験を難易度で並べてみます。ただし、それぞれ試験の性格や対象製品がまったく異なるので、相対的な難易度はあくまで目安です。

 図3 データベース関連ベンダ試験の難易度マップ

 念のため補足すると、どの資格もおおよそ世界共通となっていますが、例外もあります。入門レベルは限定的な資格となっていることもあります。それがORACLE MASTERの資格体系移行で発生したSilver Fellow(旧Silver)と、国内限定のDB2グローバルマスターのDB2アドバイザーです。厳密にうえば、ORACLE MASTERのBronzeも現時点ではまだ世界共通の資格ではありませんが、Bronzeは日本先行実施なのでおそらく追ってBronzeに対応した世界共通の資格が設けられるはずです。

 ではまた来年、お会いしましょう。

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 Index
連載 Database Watch 12月版
人気ダントツのORACLE MASTER、
新制度を解剖する
  Page 1
・データベースは花形スキル
・そろそろORACLE MASTER資格もOracle 10gへ乗り換え?
Page 2
・DB2にはDB2グローバルマスター
・Microsoftのデータベース資格ならMCAとMCDBA
・どれを狙うか、ベンダ資格


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