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AWSのリージョン、アベイラビリティゾーンとは? リージョンの選び方も分かりやすく解説

AWSとはAmazon Web Servicesの略で、2006年にスタートしたクラウドサービスです。AWSが管理しているデータセンター内のハードウェアを借りて、サーバなどを稼働させることができます。このデータセンターはどこにあるのかなど、AWSの仕組みを解説します。

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※本稿は、SBクリエイティブ発行の書籍『AWS運用入門 改訂第2版(2025年7月18日発行)』の中から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部編集の上、転載したものです。

 AWSとはAmazon Web Services(アマゾンウェブサービス)の略で、2006年にスタートしたクラウドサービスです(※1)。AWSを利用するとショッピングサイトのAmazonの裏側で使われている技術と同じ技術を使うことができます。

※1 「AWS のクラウドが選ばれる10 の理由」のページを確認すると、よりAWSやクラウドの特徴が理解できます。

AWSの仕組みとは?

 クラウドの特徴でクラウドベンダーが機器を管理していると説明しました。AWSの場合は、AWSが管理しているデータセンター内のハードウェアを借りて、サーバなどを稼働させることができます。では、このデータセンターはどこにあるのかなど、AWSの仕組みを確認します。

AWSのサービス

 AWSはサービスという単位で機能を提供しています。AWSのサービスは、コンピューティングやデータを保管するストレージなどシステム基盤にあたるものはもちろん、機械学習支援やIoTなどさまざまなサービスが合わせて200以上提供されています(2025年6月現在)。

 200以上のサービスを全て使わないといけないわけではなく、使いたいサービスを組み合わせて利用します。

リージョンとは?

 AWSではリージョンと呼ばれる、世界中の地理的に離れた領域があり、この領域にデータセンターがあります。AWSのユーザーは任意のリージョンを選んでサーバなどを稼働させることができます。2025年6月現在、図のオレンジ色の○で示した37の場所が利用可能なリージョンです。リージョンは毎年増え続けているので、最新情報は次のURLを確認してください。

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AWSのリージョン 

 海外のリージョンを利用すれば、海外に事業展開が可能です。また、地域単位でのディザスタリカバリ(※2)として、すぐに別のリージョンにシステムを構築することができます。

※2  災害時などにシステム障害を復旧・修復するための仕組みのこと。

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大阪リージョンでディザスタリカバリを行う例

アベイラビリティゾーンとは?

 リージョン内にはアベイラビリティゾーン(AZ)という物理的に離れたデータセンター群があります。アベイラビリティゾーンはリージョン内に複数あり、各アベイラビリティゾーン間は障害や災害などの影響を受けにくく設計され、高い耐障害性を提供しています。また各アベイラビリティゾーン間で通信できるように低遅延の回線が接続されています。

 AWSのユーザーは、複数のアベイラビリティゾーンにサーバを構築することがAWSのユーザーは、複数のアベイラビリティゾーンにサーバを構築することができます。そのため、万が一アベイラビリティゾーンの一つに障害が発生しても別のアベイラビリティゾーンでサーバを稼働させることで、システムを維持できます。

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AWSのアベイラビリティゾーン

リージョンの選び方

 リージョンが多数あると選択肢が増える一方で、最適なリージョンを選択することが困難になってきます。利用するリージョンは、コンプライアンス、レイテンシ、コスト、利用可能なサービスと機能という4つの要素で決めることができます。

1.コンプライアンス

 保管するデータが対象のシステムの規制に準拠できているかを確認します。例えば、保管するデータに対して他国に出してはいけないという規制があった場合は、自国のリージョンを選択することになります。

2.レイテンシ(遅延)

 ユーザーからの距離が近いほうが、レイテンシが小さくWebページなどのコンテンツを早く利用者に届けることができます。利用者に近いリージョンを選択することで、レイテンシを小さくできます。

3.コスト

 同じサービスでも利用するリージョンによって料金が違います。利用料の低いリージョンを選択することでコストを抑えることができます。

4.サービスと機能

 全てのリージョンで全てのサービスが使えるわけではありません。新しいリージョンが増える時は最低限のサービスだけが使える状態で公開され、徐々に利用できるサービスが増えていきます。そのため、その他のリージョンと利用できるサービスに差がある状態になります。よって、各リージョンで利用可能なサービスを確認し、利用したいサービスがあるリージョンを選択することになります。

書籍紹介

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著者:山﨑翔平/小倉大/峯侑資

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