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C言語とは? 5つの“学習するメリット”を分かりやすく解説

C言語は、多くのプログラミング言語の中でも大変に歴史の長い言語です。ここでは、C言語の歴史や、学ぶことで得られるメリットについて説明します。

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※本稿は、SBクリエイティブ発行の書籍『ひとつひとつしっかり身につく C言語の教科書(2025年7月11日発行)』の中から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部編集の上、転載したものです。

 C言語は、多くのプログラミング言語の中でも大変に歴史の長い言語です。さらに、現在でもさまざまな場面で幅広く使われています。ここでは、C言語の歴史や、学ぶことで得られるメリットについて説明します。

C言語とは?

 C言語は1972年、アメリカのベル研究所でデニス・リッチーにより、UNIXというOS開発のために作られました。C言語は、ハードウェアを直接操作できる低レベル機能を持ちながらシンプルで分かりやすく、多くのプログラマーに支持され、幅広く使われるようになります。その後、C言語はソフトウェア開発の標準言語となり、多くの後継言語(C++、Java、C#など)の基盤となっています。これらの言語は、C言語の構文や考え方を引き継いでおり、現代のプログラミングにおいてもC言語の影響力は非常に大きいと言えます。

C言語を学習するメリットとは?

 C言語を学ぶことには、多くのメリットがあります。特に、プログラミングの基本を深く理解する上で非常に役立つ言語です。ここでは、C言語を学ぶ利点を具体的に説明します。

プログラムの基本を理解できる

 C言語は、プログラミングの基本的な概念(例:変数、データ型、制御構造、関数など )をしっかりと学ぶことができる言語です。C言語を通じてプログラミングの基礎を習得すれば、他の多くの言語もスムーズに学ぶことができます。例えば、JavaやPythonなど、現在主流で使われている言語に進む際にも大いに役立つでしょう。

ハードウェアに近い操作ができる

 C言語は、ハードウェアに近いレベルでプログラムを書くことができます。これにより、コンピュータがどのように動作しているかを深く理解することが可能です。例えば、メモリ管理やポインタなど、他の高級言語では隠されがちな仕組みも学べます。この知識は、コンピュータシステム全体の仕組みを把握するためにとても重要です。

高速で効率的なプログラムが作れる

 C言語は、非常に効率的なプログラムを書くことができる言語です。例えば、システムソフトウェアや組み込みシステム(家電製品や自動車の内部で動作するソフトウェアなど)では、動作の高速性やメモリの効率的な使用が求められます。

他の言語を学ぶ基盤になる

 C言語をマスターすると、C++やC#、Javaなど、他の言語を学ぶ際にも大きな利点があります。これらの言語は、C言語と似た構文を持っているため、C言語の知識があればスムーズに習得できます。

広い応用範囲

 C言語は、組み込みシステムやOS、ゲーム開発、デバイスドライバなど、幅広い分野で使われています。特に、性能やコンピュータの資源(メモリやCPU)の制約が厳しいシステム開発では、今でもC言語が主流です。

 C言語は、長い歴史の中で多くのプログラマーに愛され、今なお現役で使われている言語です。学習することでプログラミングの基本を深く理解でき、効率的で高性能なプログラムを作る力が身に付きます。さらに、他の多くの言語へのステップアップにも役立つため、C言語を学ぶことは非常に有意義です。

C言語の主要なバージョン

 C言語は1972年に誕生してから、さまざまなバージョンを経て進化してきました。それぞれのバージョンで新しい機能が追加され、プログラムを書く効率や安全性が向上しています。ここでは、C言語の主要なバージョンについて簡単に紹介します。

K&R C

 C言語は1972年に、AT&T社ベル研究所のデニス・リッチーによって開発されました。その後、リッチーとブライアン・カーニハンが1978年に出版した書籍『The C Programming Language』が、C言語の初期の標準的な解説書となりました。この書籍に基づいた初期のC言語は、著者のカーニハン(K)とリッチー(R)にちなんで「K&R C」と呼ばれています。K&R Cは、C言語の基本的な文法と構造を定め、今日のC言語の土台を築きました。

ANSI C(C89)

 C言語の最初の標準規格は1989年にANSI(アメリカ規格協会)によって策定され、「C89」として知られています。一般的には「ANSI C」とも呼ばれ、このバージョンではK&R Cのあいまいだった部分が整理され、より明確な仕様が定められました。この規格により、C言語は世界中で広く使われるようになりました。

C99

 1999年には、ISO(国際標準化機構)によって「C99」が制定されました。C99では、より大規模なプログラムを書いたり、効率的なコードを記述するための新しい機能が追加されています。

C11

 2011年に登場した「C11」では、マルチスレッドプログラミングに対応し、並列処理が簡単に行えるようになりました。また、安全に文字列を操作するための関数も新たに追加され、セキュリティが向上しています。

C17

 2018年に策定された「C17」は、C11の安定性を強化したバージョンです。大きな新機能はありませんが、バグ修正や既存機能の改善が行われています。このバージョンは、現在(2025年時点)広く使われており、安定したプログラム開発が可能です。

C23

 2024年に策定された「C23」では、組み込みプログラミングやセキュリティがさらに強化され、新しい構文も導入されました。今後のC言語の発展を支えるバージョンとして期待されています。

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C言語の主要なバージョンの推移

書籍紹介

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