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Oracle DBを自然言語で操作できるMCPサーバ「SQLcl MCP Server」提供開始 使い方やセキュリティの注意点は?OralceのVS Code向け拡張機能などで利用可能に

Oracleは、MCPを同社の主要開発ツールに統合したと発表した。MCPをサポートする任意のプラットフォームから「Oracle Database」を利用できる。

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 Oracleは2025年7月17日(米国時間)、大規模言語モデル(LLM)が外部のデータソースやAPIと接続するためのオープンプロトコルである「Model Context Protocol」(MCP)を同社の主要開発ツールに統合し、MCPをサポートする任意のプラットフォームから「Oracle Database」を利用できるようにしたと発表した。

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Oracle Database用MCPサーバ(SQLcl MCP Server)の仕組み(提供:Oracle

AIアシスタント経由でOracle Databaseを操作可能に

 MCPサポートは、Oracle Databaseのコマンドラインインタフェース(CLI)である「Oracle SQLcl」を通じて提供される。Oracle SQLclは、「Visual Studio Code」(VS Code)用の拡張機能である「Oracle SQL Developer Extension for VS Code」に同梱(どうこん)されている。

 Oracle SQLclは、コマンドラインベースのMCPサーバ(SQLcl MCP Server)としても実行できるようになり、AI(人工知能)アシスタントがOracle Databaseに安全に接続するためのMCPツールを提供する。エンドユーザーのマシン上で認証情報を管理し、「SQL」および「PL/SQL」クエリとスクリプトを実行する。

 LLMベースのAIアシスタントを使用するユーザーは、SQLcl MCP Serverをデプロイ(展開)するだけで、AIアシスタントから任意のOracle Databaseを操作できるようになる。提供されるMCPツールを使ってOracle Databaseに接続し、SQLクエリやスクリプトを実行することが可能だ。

 OracleはSQLcl MCP Serverの使用例として「開発者が文書化の不十分なプロジェクトを引き継いだ場合に、任意のAIプラットフォームにOracle Databaseを探索させ、説明を受ける」というケースを引き合いに出している。自然言語でデータベースタスクを依頼すると、LLMがSQLを生成して対応するという。

 「SQLcl MCP ServerがLLMで利用可能になったことで、開発者はAIエージェントワークフローを使用して、生成されたSQL文をOracle Database上で直接実行し、結果を得ることができる」と、Oracleは説明している。

SQLcl MCP Serverの使い方

 「SQLcl MCP Serverを使い始めたいのであれば、VS CodeにOracle SQL Developer Extension for VS Codeを導入することが最も簡単だ」とOracleは説明している。この拡張機能をインストールしてSQLcl MCP Serverを有効化すると、SQLcl MCP ServerはVS Codeに自動的に登録され、「Microsoft Copilot」で使用できるようになる。

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VS Codeの拡張機能ビューで検索したOracle SQL Developer Extension for VS Code(提供:Oracle

 「SQLcl MCP Server」セクションに、Copilotで利用可能な追加ツールが表示される。

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Copilotで利用可能な追加ツール(提供:Oracle

 Oracle Databaseへの接続は、ユーザー名、パスワード、データベースプロパティ(サーバ名、ポート、データベースサービス名など)を指定して作成する。

セキュリティ上の注意点

 Oracleは、Oracle Databaseの専門家および管理者向けの主なセキュリティ上の注意点として、以下を挙げている。

  • SQLcl MCP Serverで使用されるデータベース接続が、タスクの実行に必要な最小限の権限を持つデータベースユーザーで定義されていることを確認すること
  • LLMに本番データベースへの直接アクセスを許可するのではなく、読み取り専用レプリカまたは専用のデータサブセットを使用すること
  • 異常や、制限されたデータへのアクセス試行を検出するため、LLMが実行するクエリを定期的に監査すること

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