日本は世界に比べて「顧客向けデジタルビジネスの取り組み」が4年遅れている ガートナー:約7割が「5年前に比べて競争が厳しくなっている」と回答
ガートナージャパンは、ビジネスの成長に関する提言を発表した。ビジネス成長のためには、顧客への価値提供につながる業務改善を推進する必要があり、「デジタル技術を活用して経営的、戦略的な観点から抜本的改革に取り組まなければならない」としている。
ガートナージャパンは2024年6月11日、ビジネスの成長に関する提言を発表した。同社が実施したカスタマーエクスペリエンス(CX)に関する調査結果を基に、ビジネスの成長と業務改善の関係性について述べている。
「従業員エクスペリエンスの改善」も必要
ガートナージャパンの調査によると、CXに取り組んでいる日本の大企業のうち、72.6%が「5年前(2019年)と比べて自社と他社の競合環境が厳しくなっている」と回答した。
ガートナージャパンの川辺謙介氏(シニアディレクター アナリスト)は、「そもそもCXの取り組みは、激化する市場で差別化を図るために推進することが多いが、その意味では日本企業はCXの取り組みでビジネスに貢献できていない」と述べている。
Gartnerが世界のCIO(最高情報責任者)を対象に実施した調査「2024年CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイ」の結果によると、日本企業はデジタル化の取り組みについて、世界から後れを取っていることが分かった。社内のビジネスプロセスのデジタル化に関しては2年、社外に対する顧客向けのデジタルビジネスに関しては4年、後れを取っていた。
ガートナージャパンは「日本企業がデジタルビジネスの割合を増やしてビジネスを成長させるには、今まで以上に顧客に焦点を当てた取り組みを強化し、顧客にとっての価値を提供することが重要だ」と指摘している。
「企業は、現在の業務の取り組み方を顧客中心の観点から見直し、最新のデジタル技術を活用した適切な顧客応対アプリケーションをどこに導入すべきか検討する必要がある。重要な点は、従業員エクスペリエンス(EX)を改善して、従業員の“不必要な労力”を軽減することだ」(川辺氏)
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