2045年の需要量は2023年の約4倍に IDCが国内ハイパースケールデータセンターの需要を予測:“20年後のトレンド”が重要
IDC Japanは、国内ハイパースケールデータセンターの需要量に関する分析結果を発表した。ハイパースケールデータセンターの2045年の需要量は、2023年の実績値の約4倍に達する可能性があるとしている。
IDC Japanは2024年5月15日、国内ハイパースケールデータセンター(DC)の需要量に関する分析結果を発表した。
なお、本調査における“ハイパースケールDC”は「Amazon Web Services(AWS)やGoogle、Microsoftなどのメガクラウドサービス事業者が、クラウドサービスを提供するために利用する巨大なデータセンター」と定義されている。
ハイパースケールDCのトレンドは10年単位での分析が必要
IDC Japanによると、近年、クラウドサービス事業が急成長していることに加え、クラウドサービスでのAI(人工知能)利用が拡大していることを背景に、ハイパースケールDCに対する需要が増加しているという。
国内でも複数の巨大設備の増設が進められている。ただ、ハイパースケールDCを1棟建設するには数百億円の資金が必要となる上、土地の調達から建物の竣工(しゅんこう)まで5年ほどかかる。このため、ハイパースケールDCを供給するDC事業者や不動産事業者が事業戦略を策定するためには、10年以上の長期的な需要トレンドを見極める必要があるという。
こうした背景もあり、IDC Japanは20年後のトレンドを分析。「ハイパースケールDCの需要量は、2045年に2023年実績値の約4倍に達する可能性がある」としている。
ただし同社は「20年という長い間には、予測できないような技術変革やビジネスモデルの変化が生まれる可能性があり、今回の分析にはこうした変化が反映されていない点に注意が必要だ」としている。
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