ニュース
次期Windows Serverの正式名称、「Windows Server 2025」に:リリース時期は言及なし
Microsoftは、次期Windows Serverの正式名称が「Windows Server 2025」になると発表した。
Microsoftは2024年1月26日(米国時間)、Windows Serverの次期リリースの正式名称が「Windows Server 2025」になると発表した。
Windows Server 2025の開発では、ホットパッチ機能、次世代のActive DirectoryとSMB(Server Message Block)、ミッションクリティカルなデータとストレージ、Hyper-V、AIなど、多くの分野に投資していると述べている。
「Windows Server Insider Program」では同日、Windows Server 2025のWindows Server Insiderプレビュービルド(v.26040)がリリースされた。既に多くの新機能を搭載しているが、まだ開発中の機能もあり、今後のプレビュービルドで順次提供される。2週間ごとに新しいプレビュービルドがリリースされる。
Windows Server 2025のリリース時期は明らかにされていない。
Microsoftは、2023年11月に開催したカンファレンス「Ignite 2023」の「What’s New in Windows Server v.Next」というセッションで、Windows Serverの次期リリース(当時は「Windows Server v.Next」と呼んでいた)を初めて紹介した。その際には、主な機能強化点として以下を挙げていた。
ホットパッチ機能のサポート
- 再起動不要で更新プログラムを適用できる
次世代Active Directory
- データベースページサイズの拡大(8Kから32Kへ)
- NUMA(Non-Uniform Memory Access)対応ハードウェアの利用によるパフォーマンス向上
- パフォーマンスモニタのカウンタの追加、Active Directory診断データコレクタセットの更新
- セキュリティ強化
- レプリケーションでの優先順位設定
ストレージ
- ミッションクリティカルなワークロードの高速化
- NVMe(Non-Volatile Memory express)ストレージ
- パフォーマンス向上
- CPU使用量の削減
- ストレージコストの削減
- ストレージレプリカ
- ReFS(Resilient File System)
- 記憶域スペース
フェイルオーバークラスタリング
- Active Directoryレスクラスタ
- 2サイト間でのストレッチ記憶域スペースダイレクト(S2D)クラスタ
- クラスタを意識した更新の信頼性、パフォーマンス向上
Hyper-V
- GPUパーティショニング(GPU-P)による複数の仮想マシンでのGPU共有、ライブマイグレーションとフェイルオーバークラスタリングのサポート
- DDA(Discrete Device Assignment)による高可用性(HA)サポート
- 第2世代仮想マシンへの対応
ネットワーキング
- ネットワークATC
- ネットワークHUD
- SDN(Software Defined Networking)マルチサイト
- SDNゲートウェイのパフォーマンス向上
- モダンAKS(Azure Kubernetes Service)アプリケーションのサポート
コンテナ
- ベースイメージをアップグレードすることなく、Windows Server 2022コンテナをWindows Server vNextで実行できる
- コンテナ用のWindows Server Annual Channel(年間チャネル)
- イメージサイズの縮小
- Windows Server vNext Nano Serverのアプリケーション互換性の向上
- ネットワーキングでの制御パスのパフォーマンス向上
SMB
- SMB over QUIC(UDPポート443でセキュアなSMB接続を実現する)のクライアントアクセス制御
- SMB経由のNTLM認証の無効化オプション
- SMBの認証回数制限によるブルートフォース攻撃の防止
- SMB署名
- SMBダイアレクト制御
- SMBファイアウォールルールの強化
入手のしやすさと使い勝手
- Windows 11と同様に、Windows UpdateでWindows Server 2022からWindows Server vNextにアップグレード可能
- ハイブリッドワークロードを管理できる「Azure Arc」の有効化がより迅速かつ容易に
- Wi-Fiサポートによるエッジ対応の強化
- 新しいサブスクリプションベースの購入モデル
- 「Microsoft 365」アプリケーションのサポート(メインストリームサポート期間)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
毎年恒例、「2024年にサポートが終了する」Microsoft製品/サービスまとめ――Windows 10サポート終了までの“最後の2年”をどう過ごす?
この時期恒例となった「サポートが終了する」Microsoft製品/サービスをまとめて取り上げます。「Windows 10」は2024年もまだ使用可能ですが、サポート終了まで“残り2年”を切りました。これならサポート終了に間に合う? 「ストレージ移行サービス」によるWindowsファイルサーバの移行、やってみました
Windows Server 2012/2012 R2の製品サポートが2023年10月10日に終了します。もし、これらのOSを実行しているファイルサーバやWindows Storage Server 2012/2012 R2搭載NASをまだ利用している場合は、急いで後継バージョンや代替ソリューションに移行しましょう。その際、Windows Server 2019で追加された「ストレージ移行サービス」が省力化や時短に大いに役に立つかもしれません。Azure ADからMicrosoft Entra IDへの名称変更、大きく前進
「Azure Active Directory」(Azure AD)は、2023年7月から「Microsoft Entra ID」に名称変更されましたが、AzureポータルのUIやMicrosoft Learnドキュメントには、旧称のAzure ADが多く残っていました。2023年9月末までにその多くがMicrosoft Entra IDに変更されました。