IBM、データおよびAI向けストレージの新製品「IBM Storage Scale System 6000」を発表:非構造化データに対応
IBMは、「IBM Storage Scale System 6000」を発表した。今日のデータ集約型およびAIワークロードの需要に対応するよう設計されたクラウドスケールのグローバルデータプラットフォームだとしている。
IBMは2023年10月31日(米国時間)、「IBM Storage Scale System」の新モデル「IBM Storage Scale System 6000」を発表した。今日のデータ集約型およびAI(人工知能)ワークロードの需要に対応するよう設計されたクラウドスケールのグローバルデータプラットフォームだとしている。
IBM Storage Scale Systemは、TB/秒のパフォーマンス、低遅延、ノード当たり数千万IOPSを提供する数千のノードに、「IBM Storage Scale」をデプロイ(展開)できるオールフラッシュでハイブリッド型のハードウェアアプライアンス。IBM Storage Scaleは、スケールアウト型のファイルとオブジェクトのソフトウェア定義ストレージプラットフォームだ。
IBM Storage Scale Systemは、IBM Storage Scale、「IBM Storage Ceph」(オープンソースのソフトウェア定義ストレージソリューション)とともに、IBMのデータおよびAI向けストレージ製品ポートフォリオを構成している。
IBM Storage Scale System 6000は、4U(4ラックユニット)のフットプリントで1システム当たり最大700万IOPSと最大256GB/秒の読み取り専用ワークロードスループットを提供する。
IBMのIBM Storage担当ゼネラルマネジャーを務めるデニス・ケネリー氏は、次のように説明している。「今日のAI新時代の可能性は、組織が複数のソースからのデータをほぼリアルタイムで統合する戦略を持つ場合にのみ、完全に実現されると私は考えている。IBM Storage Scale System 6000は、コア、エッジ、クラウドのデータを、GPUワークロードに最適化されたパフォーマンスで単一のプラットフォームに統合する」
IBM Storage Scale System 6000は、動画、画像、テキスト、計測データなど、日々生成される半構造化および非構造化データの保存に最適化されている。IBM Storage Scale System 6000により、以下のことが可能になる。
2024年前半に組み込まれるIBMのフラッシュドライブファミリー「IBM FlashCoreモジュール」(FCM)により、データ効率とスケールメリットが向上
- 新しい最大容量のNVMe FCMは、IBM Storage Scale System向けの従来の最大容量フラッシュドライブと比べて、1TB当たり70%低いコストと53%少ないエネルギーで容量効率を提供する。これにより、顧客はNVMeのフル性能とクアッドレベルセル(QLC)のコストメリットを享受できる
- 強力なインラインハードウェアアクセラレーションによるデータ圧縮と暗号化により、マルチユーザー、マルチテナント環境でも顧客データを安全に保護できる
- FCMを搭載したIBM Storage Scale System 6000は前世代のシステムと比べて、同じ床面積で2.5倍のデータ量をサポートする
IBMの次世代AI/データプラットフォーム「IBM watsonx」により、AIワークロードの導入と運用が加速
- 新しいNVMeoF(Nonvolatile Memory Express over Fabrics)ターボティア、新しいパラレルマルチテナントデータ分離、IBMが特許を持つコンピュテーショナルストレージドライブを組み合わせ、AIワークロードについて、より高いパフォーマンスのセキュリティと効率性を実現する
- IBM Storage Scaleソフトウェアが、マルチベンダーストレージオプションのオープンなエコシステムとデータを接続する。このエコシステムには、IBMテープストレージに加えて、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、IBM Cloudなどのパブリッククラウドが含まれる
市場の主要な競合製品の2.5倍以上に当たるGB/秒スループットと2倍のIOPSパフォーマンスにより、データアクセスが高速化
- さまざまなユースケースに対応した複数のAIおよびデータ集約型ワークロードを同時に実行できる、高い処理スループットとアクセス速度を実現する
IBM Storage Scale System 6000では、IBMの新しいNVMeoFターボティアを使って、NVIDIA AIソリューションから他のAIワークロードへの情報サプライチェーンを、それらが置かれている場所にかかわらず、構築する機能を利用できる。
またIBM Storage Scale System 6000は、GPUメモリとストレージ間のダイレクトパスでNVIDIA Magnum IOTM GPUDirect Storage(GDS)をサポートしている。
さらに、NVIDIA ConnectX-7 NICを利用することで、最大16ポートの100Gb RDMA over Converged Ethernet(RoCE)、200Gbpsや400GbpsのInfiniBand、またはその両方をサポートし、ノード間やノードとGPU間のパフォーマンス向上を図っている。
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