GitHub、「GitHub Enterprise Server 3.9」を正式リリース GitHub Projectsの改良など新機能が追加:管理、セキュリティ、可観測性、スケーリングなどの機能が向上
GitHubは、より深いコラボレーション、可観測性の向上、ワークフローの高速化を実現する「GitHub Enterprise Server 3.9」の一般提供を開始した。
GitHubは2023年6月29日(米国時間)、「GitHub Enterprise Server 3.9」の一般提供を開始した。
GitHub Enterprise Server(GHES)は、オンプレミスデータセンター内の仮想化ハイパーバイザーまたはパブリッククラウドサービスにデプロイできる企業向けソフトウェア開発プラットフォームだ。GHES 3.9では、より深いコラボレーション、可観測性の向上、ワークフローの高速化を実現するさまざまな新機能を利用できるようになった。
GHES 3.9の主な機能強化点は以下の通り。
GitHub Projects(β版)の改良
プロジェクト管理機能を提供するGHESのGitHub Projects(β版)が改良され、チームで以下のことができるようになった。
- 新しいロードマップレイアウトを用いて、イシューやプルリクエストを時系列で可視化する
- リポジトリを監視し、イシューを自動的に追加するワークフローと、アイテムを削除してプロジェクトを整理するワークフローにより、プロジェクトを最新に保つ
- 既存プロジェクトをコピーしてテンプレートとして使い、表示やカスタムフィールドの設定にかかる時間を節約する
- イシューフォームを作成し、さまざまなイシューシナリオごとに適切な内容の提出方法をチームメンバーに案内する
コードスキャンとシークレットスキャンの新機能
GitHub Advanced Securityを使用する企業の管理者は、.yamlファイルを設定することなく、リポジトリ設定のセキュリティタブから、Python、JavaScript、Rubyリポジトリでのコードスキャンを簡単に有効にできるようになった。
また、リポジトリでコードスキャンを設定すると、新しい詳細なステータスページにより、コードスキャンのデプロイの健全性と対象範囲を監視できるようになった。
シークレットスキャン機能も強化され、プッシュ時に企業のカスタムパターンもスキャンするようになった。これらのパターンは、リポジトリまたは組織レベルで定義できる。
可観測性の向上
GHESをより簡単に監視、管理できるように、新しいツールとテレメトリーが追加された。
- GHESのログが、構造化ログを出力するOpenTelemetry標準を使用するようになった。これにより、ログの解析がより簡単になり、デバッグがより高速になった
- ghe-manageの新ツールであるghe-migrationsが、アップグレード時の移行のステータスと所要時間を表示し、同じく新ツールのghe-backup-progressが、backup-utilsでインスタンスのバックアップを生成する際の進捗(しんちょく)を表示するようになった
Actions Runner Controllerによるセルフホステッドランナーの自動スケーリング
GitHubが採用したKubernetesベースのオープンソースプロジェクトであるActions Runner Controller(ARC)を使って、GitHub Actionsのセルフホステッドランナーを自動的にスケールし、オーケストレートすることが可能になった。また、Webhookイベントに応答して、環境内のセルフホステッドランナーの数を自動的に増減できる自動スケーリングモードも導入された。
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