さらば煩雑な手作業、運用負荷――Ansibleで「インフラ自動化」を始めよう:スキマ時間にこっそり学ぶ「Ansible」入門(1)
自動化ツールの一つである「Ansible」について、これから学ぼうという方、使っていきたい方を対象に、導入方法から実用例までを簡単に紹介していきます。初回は、Ansibleの概要と基本的な使い方、導入方法を解説します。
はじめに
クラウド活用が一般的になりつつある中、コンテナやKubernetesなどのクラウドネイティブ技術を活用した企業の事例が注目されています。一方、既存システムの運用やオンプレミス環境のインフラ構築、運用は手作業が中心で、関連業務の課題が山積してクラウドなど新たな取り組みをする余裕がない――こうした悩みを抱えている企業もまだまだ多いのではないでしょうか。またシステムの運用に人が関わらないといけない状況では、もしクラウドを活用していても、クラウドのメリットを最大限に生かしきれないといえるでしょう。
運用における手作業や、人が関わる部分を極力減らし、ツールに任せる――こうした文化やプロセスを知ることが、既存の煩雑な手作業や課題の解決に有効です。いわゆるクラウドネイティブ技術を活用したシステムの開発や運用にも、役立つ知識になることでしょう。
そこで本連載では、自動化ツールの一つである「Ansible」について、これからAnsibleを学ぼうという方、使っていきたい方を対象に、導入方法から実用例までを簡単に紹介していきます。初回は、まずAnsibleがどのようなツールなのか紹介し、導入方法を解説します。
自動化ツール「Ansible」とは
Ansibleとは、大まかに言うとシステム構築やソフトウェアのデプロイ、システムのメンテナンスなどさまざまなタスクを自動化できるツールです。実行するタスクは「YAML」と呼ばれる形式で記述するため、誰が書いても統一された書き方になり、メンテナンス性も良い上、テキストファイルで管理するため、Gitなどのバージョン管理システムとの親和性が高いです。
Ansibleを構成する主な要素は、以下の3つです。
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