Twitter投稿から「地域の自然災害リスク」を把握できるか あいおいニッセイ同和損保とJX通信社が実証実験:火災保険データとSNSデータを活用
あいおいニッセイ同和損害保険とJX通信社は、火災保険の事故データとSNSデータを組み合わせて地域の自然災害リスクの実態を把握する実証実験を実施すると発表した。
あいおいニッセイ同和損害保険(以下、あいおいニッセイ同和損保)は2022年6月17日、火災保険の事故データとSNSデータを組み合わせて地域の自然災害リスクの実態を把握する実証実験を実施すると発表した。実証実験はJX通信社と共同で実施する。
実証実験では、あいおいニッセイ同和損保が蓄積してきた火災保険の事故データと、JX通信社が収集したTwitterなどのSNSビッグデータを組み合わせて分析する。自然災害による火災保険の請求件数が多い地域や、その地域のSNS投稿件数などの情報を地図上に可視化し、「データに基づいた“地域のリスク実態の把握”を目指す」という。
Twitterのデータを使って被害実態の把握に成功した例も
火災保険の事故データの内訳は水災、地震といった事故種別と物件所在地域、保険金請求件数、支払保険金額など。利用に当たっては「統計化した上で個人が特定・識別できないように適切に加工する」としている。SNSデータの内訳は、投稿件数や投稿時間の分布、投稿された画像などから把握できる被害実態となっている。
あいおいニッセイ同和損保とJX通信社は2021年に資本業務提携を締結。SNSなどのビッグデータを活用した「自然災害に対するサービス開発」に向けて取り組んでいる。今回の実証実験もその取り組みの一環だ。2018年から2021年にかけて発生した九州地方の洪水被害情報と、JX通信社が収集したSNSデータを地図上に可視化したところ、事故受付件数が多い地域についてTwitterのデータから被害実態の把握に必要な情報が得られたとしている。
自然災害リスクの実態把握を進めるため、今後も両社は火災保険の事故データとSNSデータを活用した実証実験を各地域で実施する予定だ。
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