国土交通省主導の都市データ3D化プロジェクト、2022年度の開発内容を発表:AIなどを活用したデータの自動生成やOSS化など
国土交通省は2022年3月29日、現実の都市を3Dデータに落とし込む「Project PLATEAU(プロジェクト プラトー)」で2022年度に取り組む内容を発表した。
国土交通省は2022年3月29日、現実の都市を3Dデータに落とし込む「Project PLATEAU(プロジェクト プラトー)」において、2022年度に取り組む予定のプロジェクトを発表した。Project PLATEAUは、3D都市モデルを作成し、これをオープンデータとして公開することで、まちづくりのデジタルトランスフォーメーション(DX)促進などを目指すプロジェクトだ。2020年度から同省主導の下、3D都市モデルの整備、データ標準モデルの策定、3D都市モデルのユースケース開発などが行われている。2021年度は、航空測量(公共測量)を用いた標準的モデルの作成手法といった「標準データ作成手法の開発」や3D都市モデルをマップとして用いた「自動運転車両運行のための活用検証」などを主要な取り組みとしている。
今回発表された2022年度のテーマは3つ。「データ整備の効率化・高度化」「先進的なユースケース開発」「データ・カバレッジの拡大」だ。
データ整備の効率化・高度化
従来の3D都市モデル標準仕様を拡張し、土木建造物や水面、動的データなどのオブジェクトを新しく3Dモデルに取り込む。また、3D都市モデル整備の効率化、低コスト化を図るため、AIなどを活用したデータの自動生成ツール開発、オープンソースソフトウェア(OSS)化にも取り組む。
先進的なユースケース開発
2021年度に引き続き、防災、環境、まちづくりなどの分野で3D都市モデルのユースケース開発を実証し、ベストプラクティスの創出と全国展開を目指す。2022年度には「災害リスクの可視化ツールによる住民参加型防災訓練への活用」「都市OSと連携した統合プラットフォーム開発」など、計41のプロジェクトに取り組む。
データ・カバレッジの拡大
全国の地方公共団体における3D都市モデルの整備、活用、オープンデータ化促進のため、2022年度は新たに「都市空間情報デジタル基盤構築支援事業」を創設した。全国37の地方公共団体、約60都市で3D都市モデルを実装する予定で、防災、まちづくり、交通などの分野で3D都市データの活用に取り組む。また、データ利用環境を改善するためのオープンAPI(Application Programming Interface)や、Unityなどのゲームエンジンに利用可能なSDK(Software Development Kit)の開発、技術チュートリアルの充実にも取り組む予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
複数のスマホで撮影したビデオから「4D映像」を生成、カーネギーメロン大
カーネギーメロン大学の研究チームが、スタジオや特殊なカメラを使わなくても、「4D映像」を生成できる手法を開発した。複数の「iPhone」で撮影したビデオ映像を組み合わせ、さまざまな角度から動きを見たり、視線を一時的に遮る人や物体を消去したりできる。アクティブに更新され続けている、お勧めの機械学習データセット一覧サイト
「300個以上のデータセットを紹介している大型サイト」「毎週/毎月のようにアクティブに更新されているサイト」という条件に該当するお勧めのデータセット一覧サイトとして「arXivTimes/DataSets」「Awesome Public Datasets」「UCI Machine Learning Repository」の3つを紹介する。機械学習/データサイエンスに活用できる「政府系」オープンデータセット3選
日本政府が公開するオープンデータの中でも、機械学習/データサイエンスに活用できるお勧めのデータセットを厳選して紹介する。具体的には「e-Stat(政府統計の総合窓口)」「Tellus(衛星データプラットフォーム)」「過去の気象データ(気象庁)」の3つ。