デジタル高成長企業の3つの共通点とは 日本CTO協会が「DX動向調査レポート 2021年版」を発表:「DX投資の有無は業績の差に現れ始めている」
日本CTO協会は、「DX動向調査レポート 2021年版」を発表した。高成長企業ほど、DXを経営課題として認識し、推進している傾向が見られ、Webサイトやアプリ、電子契約などを活用して顧客との接点をデジタル化していた。
日本CTO協会は2021年4月12日、「DX動向調査レポート 2021年版」を発表した。それによると、DX(デジタルトランスフォーメーション)投資の差が企業の成長に影響を与えていることが分かった。
高成長企業と低成長企業とのギャップを可視化
本調査は、デジタル比率(デジタル経由の売上構成比率)と成長率(年平均成長率)の関係に着目。高成長企業の「具体的な活動」について分析することで、低成長企業とのギャップを可視化するのが目的だ。
デジタルサービスによる売り上げが全体の40%以上の企業を「デジタル企業」、40%未満の企業を「非デジタル企業」と分類し、さらに年平均成長率が10%以上かどうかで、それぞれを「高成長」「低成長」の2つに分けた。
デジタル高成長企業の3つの共通点
調査結果によると、デジタル、非デジタルにかかわらず高成長企業は、技術役員の設置やリモートワーク(テレワーク)などの環境整備に力を入れていることが分かった。
ソフトウェア技術者出身の技術役員がいるかどうかを聞いたところ、「デジタル高成長企業」は90%を超え、「非デジタル高成長企業」でも70%以上が技術役員を設置していた。それに対して「非デジタル低成長企業」では、過半数の企業が技術役員を設置していなかった。
リモートワークの普及率については、デジタル高成長企業の約7割が「普及率は80%以上」と回答した。非デジタル高成長企業の場合は約半数が「普及率は60%以上、80%未満」だった。これに対して非デジタル低成長企業は約4割の企業で「普及率は20%未満」だった。
日本CTO協会は、本調査のサマリーとしてデジタル高成長企業の3つの共通点を挙げる。
「1つ目は高成長企業はDXを経営課題として認識し、推進していること。2つ目は変化する顧客ニーズを満たすため、アジャイル開発体制を構築したり、開発生産性を高める取り組みをしたりしていること。3つ目はソフトウェア開発者が創造性を発揮し、自由に働ける環境を整備していることだ」
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