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業務上の非対面、非接触を後押しする「電子サイン」の利用状況をIDC Japanが発表企業対企業で利用が増加。企業対消費者は?

IDC Japanは、「国内電子サインソフトウェア/サービス市場の動向」を発表した。電子サインの利用状況は29.6%。企業向けの発注書や契約書、検収書といった文書で利用率が高かった。

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 IDC Japan(以下、IDC)は2020年11月9日、「国内電子サインソフトウェア/サービス市場の動向」を発表した。ここでいう電子サインソフトウェア/サービスはIDCが「電子文書に関して安全、正確かつ法的な契約/同意手続きを行うソフトウェアおよびクラウドサービス」と定義しているもの。

 2020年7月にIDCが実施したユーザー調査によると、自社システムとクラウドサービスを合わせた電子サインの利用状況は29.6%だった。電子サインの適用文書を見ると、利用率が高いものは企業向けの発注書(47.0%)、契約書(40.9%)、検収書(34.0%)で、いずれも企業向け文書だった。消費者向けで利用率が高かったものは、契約書(19.0%)や見積書(15.0%)だった。

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日本国内における電子サインの適用文書(出典:IDC

企業対企業で利用が増加。企業対消費者は?

 IDCは、電子サインが「企業対企業」で普及しつつあるとみている。

 これまで電子サインはワークフローの見直しやドキュメントの電子化、テレワークの推進といった働き方改革の一環として利用されてきた。最近は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、非対面、非接触での業務の推奨、押印業務の見直しといった理由で電子サインの採用が進んでいるという。

 「今後は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進によって、利用率や市場規模ともに高い成長率で拡大する」とIDCは予想している。

 「企業対消費者」でみると「消費者の電子サインに対する理解や、本人確認に関するセキュリティ面での懸念、確認手段の理解に課題がある」(IDC)という。IDCは、今後電子サインが広まるためには、「電子サインの類型、機能、関連法案に関する幅広い市場理解が必要だ」と指摘している。

 IDC Japanでソフトウェアグループのマーケットアナリストを務める太田早紀氏は、「今後電子サインソフトウェアは、ユーザー企業がDXを推進する中で広く利用されるとみている。ITサプライヤーは電子サインの適用範囲を決定するための関連ワークフロー分析やコンサルティングの提供、ユーザー企業ごとに適した電子サイン方式の適切な提案、電子サイン導入を起点としたDX推進をユーザー企業に提案すべきだ」と述べている。

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