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元々社員の約9割が在宅勤務の「リモートファースト」企業HashiCorp、創業者のハシモト氏が語った教訓リモートワークとは、「家を職場にすること」ではない(2/2 ページ)

オープンソースのITインフラ構築自動化ツール群を事業とするHashiCorpは、創業当初から「リモートファースト」を続けてきた。創業者のミッチェル・ハシモト氏が、コミュニケーションの大切さとパーソナルヘルスについて、具体的な教訓を語った。

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 また、HashiCorpではリモートワークをする社員に、昼食の時間を自分の日々のスケジュールに明示的に組み込み、その時間は仕事をブロックするように伝えているという。

 「在宅勤務では、昼食に誘ってくれる同僚がいないため、昼食を忘れて長時間働きがちだ。在宅勤務と聞くと、多くの人が『それは仕事がしにくくて大変でしょう』と言うが、実際はほぼ逆だ。仕事が頭から離れず、家の中で業務モードが続いてしまう」

 一緒に働いているチームがオンラインミーティングを特定の日時にしか開催できないなら、それを避けるなどの必要があるが、昼食時間は仕事とプライベートを分けるための重要な区切りだという。

 ベッドルームで働かないことと、昼食時間を明確にとることは、ハシモト氏が個人として得た教訓でもある。

 「HashiCorpを創業するまで、リモートワークをしたことはなかった。創業後数週間は自宅のベッドルームで仕事をしていて、昼食はとらなかった。当初は働くことがとても楽しかったが、ある日トラックにぶつかったように、突然モチベーションが失われてしまった。自身をコントロールできなくなり、事態は悪化していった。ひどい状況だった」


仕事をするための環境にお金をかける

 社員の心身の健康を保つためのもう1つの秘訣(ひけつ)としてハシモト氏が指摘するのは、ホームオフィスへの投資。スピーカーやモニター、椅子など、仕事をする環境や道具に少し金をかけるだけで、大きな違いが生まれるという。HashiCorpでも、こうした投資のための補助をしているという。

 ハシモト氏自身、HashiCorpの創業以来4回引っ越しをしたが、窓のある仕事部屋を持てるところを選んできた。窓から外が見えないと生産性が上がらず、気分が落ち込むからだという。

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