“北九州市の台所”でスマホかざしてQRコード決済――みずほFGなど5行、キャッシュレス決済の実証実験をスタート
外国人にも人気の観光スポットになっている北九州市・小倉の旦過市場、京町・魚町商店街などで、決済アプリを使ったキャッシュレス決済の実証実験がスタートする。みずほFG、みずほ銀行、北九州銀行、西日本シティ銀行、福岡銀行が共同でQRコード決済の利便性などを検証する。
みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)、みずほ銀行、北九州銀行、西日本シティ銀行、福岡銀行は2018年8月20日、キャッシュレス決済促進に関する構想(キャッシュレス構想)の実現性を検証するための実証実験を、9月1日に北九州市で開始すると発表した。
実証実験では、スマートフォン用の決済アプリ「pring(プリン)」を活用して、QRコードの読み取りによるキャッシュレス決済を実施し、その利便性などを検証する。
実験時期は、2018年9月1日から12月末までを予定。実施エリアは、北九州市内のJR小倉駅周辺の商業施設など。小倉駅から続くアーケード商店街の京町・魚町商店街と、“北九州市の台所”と称される旦過市場など、人気の観光スポットにもなっている商店街から約50店舗が参加。さらに、第一交通のタクシー(約80台)と、北九州空港内の土産物店も実証実験に参加する。
参加加盟店は順次拡大予定。また、“お得なキャンペーン”なども実施予定で、9月1日からpringのWebサイトに情報を掲載するという。
この実証実験は、北九州市における観光客や地元購買客のキャッシュレス消費の取り組みを推進するもので、北九州市が支援、協力する他、メタップスのグループ会社で決済アプリを提供するpring、決済用端末を提供するソフトバンクが参画している。
pringは、連携する銀行口座からワンタップでチャージ(入金)でき、店頭でのQRコードやバーコードによる決済の他、電子マネーによる個人間の送金、キャッシュアウト(自分の銀行口座に戻して現金化)などの機能を無料で利用できる。
みずほFGでは、メタップス、ベンチャーキャピタルのWiLらと2017年4月に決済ウォレットアプリ事業で業務提携を締結しており、統一規格のQRコード決済を促進することで、2020年までに日本のキャッシュレス社会化を進展させる「キャッシュレス構想」を推進。2018年6月〜7月には、東邦銀行とともに福島県でも、pringを使ったキャッシュレス決済の実証実験を実施している。
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