Swift For TensorFlowのオープンソース化など、GW前後の機械学習関連ニュースまとめ:気になるニュース&ネット記事
GWを挟んでここ2週間ほどの、ちょっと気になるお薦めのニュースや記事を集めてみた。
ご注意:本記事は、@IT/Deep Insider編集部(デジタルアドバンテージ社)が「deepinsider.jp」というサイトから、内容を改変することなく、そのまま「@IT」へと転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。
本連載は、(せっかく情報収集しているのだから)ある程度キュレーションして、最新のお薦めニュース記事を紹介していく場所として設計している。
今後、どういう形で情報発信していくかの形はまだできていないのだが、今回は筆者が、GWを挟んでここ2週間ほどの間にブックマークしてきた記事の中で、ちょっと気になって共有したくなったニュースや記事を集めてみた。
製品リリース関連
まずはリリース関連を紹介する。
Swift For TensorFlowのオープンソース化
2018年3月のTensorFlow Developer Summitで発表されていた「TensorFlowにおけるSwift言語対応のオープンソース化」が4月27日に行われた。この対応の主目的は、モバイル端末(iOS)上でのTensorFlow機械学習モデルの実行をより強力に推進するためだと思われる。
TensorFlowは、
- Python
- C++
- Java
- Go
- Swift (初期リリース)
といった言語向けのAPIを提供している。ちなみに、他の言語からのバインディング機能もあり、具体的には以下のような成果がすでにある。
- C#
- Haskell
- Julia
- Ruby
- Rust
- Scala
詳しくは「API Documentation | TensorFlow」を参照されたい。
Keras 2.1.6 リリース
内容は、バグ修正、ドキュメント改善、マイナーなユーザビリティ改善などである。
Ubuntu 18.04 LTS “Bionic Beaver”
すでにご存じだと思うが、ついにUbuntu 18.04 LTS(コード名:“Bionic Beaver”)がリリースされている。
なお、16.04 LTSからのアップグレードは執筆時点では無効で、2018年7月下旬ごろのバージョン18.04.1がリリースされて数日後から可能になる予定である。
18.04 LTSの変更点については、以下の記事が日本語でコンパクトにまとまっているのでお勧めだ。
ただし、「ヤバイ不具合」もあるらしく、そもそも各機械学習フレームワークが正式に対応しない限り、今、Ubuntu 18.04 LTSを利用し始める理由は(機械学習エンジニアには)ないだろう。1年後ぐらいを目安に情報を追いかけておけばよいのかなと考えている。
Windows 10 April 2018 Update
2018年4月27日に下記リンク先の記事が公開されている。
このWindowsアップデートと関連するか分からないが、2018年5月7日(本稿公開後まもなく)、大型のデベロッパーカンファレンス「Microsoft Build 2018」が開かれる予定だ。AI関連の新機能などが発表された場合は、また別の記事で紹介したい。
Python 2.7.15/3.7.0b4 リリース
最近、以下の2つがリリースされている。
- 2018年5月1日、バグ修正をリリース: Python 2.7.15
- 2018年5月2日、Python 3.7のプレビューベータをリリース: Python 3.7.0b4
ちなみに、Python 3.7では以下の新機能が搭載される。詳しくは上記のリンク先を参照されたい。
- PEP 538, Coercing the legacy C locale to a UTF-8 based locale
- PEP 539, A New C-API for Thread-Local Storage in CPython
- PEP 540, UTF-8 mode
- PEP 552, Deterministic pyc
- PEP 553, Built-in breakpoint()
- PEP 557, Data Classes
- PEP 560, Core support for typing module and generic types
- PEP 562, Module __getattr__ and __dir__
- PEP 563, Postponed Evaluation of Annotations
- PEP 564, Time functions with nanosecond resolution
- PEP 565, Show DeprecationWarning in __main__
- PEP 567, Context Variables
Kubeflow 0.1 リリース
グーグルは、Kubernetes上に機械学習環境を簡単に構築できるKubeflowのバージョン0.1を2018年5月4日にリリースした。
- kubeflow/kubeflow: Machine Learning Toolkit for Kubernetes
- Kubernetes Blog: Announcing Kubeflow 0.1
- 日本語ニュース記事: Kubernetesのための機械学習ツールKubeflowが発表から4か月で最初のバージョンをリリース | TechCrunch Japan
- 内容が分かる記事: kubeflow 触ってみた - Qiita
試験やコンテスト
次に試験やコンテスト関連の気になったニュースを紹介する。
JDLA G検定の受験申込受付を開始
日本ディープラーニング協会(JDLA: Japan Deep Learning Association)は、ジェネラリスト向けのG検定(2018年 第1回)を2018年6月16日(土)に開催する予定で、この申し込み受付を本日5月7日に開始した。締切は6月8日まで。
受験料は、一般:1万2960円(税込)、学生:5400円(税込)と(TOEICの税込5725円と比べると)そこそこの金額ではある……。
ちなみにエンジニア向けのE検定(2018年 第1回)は2018年9月29日(土)に開催される予定で、申し込み受付は8月に予定されている。受験料は3万2400円と個人ではちょっと考える金額であるだけでなく、指定の学習コースを履修しなければ受験できない仕組みで、それだけで数十万円かかる仕組みとなっている。個人的には受験のハードルが高くて残念に思っている……。詳しくは「こちら」を参照してほしい。
Kaggle
機械学習をしているとKaggleというコンペティションをよく聞くと思うが、それに関するイベントや記事があったので紹介しておこう。
関連としてKaggle以外にも、「PyData.Tokyo Meetup #18 データ分析コンペティションの勝ち上がり方 - connpass(スライドシェアあり)」というイベントもあった。
その他のネット記事
機械学習の論文に関する炎上案件
機械学習の研究は、流れが非常に速い。論文は、オープンアクセスできる場所に掲載するのが、研究者の常識となっている。これに対し、科学雑誌として世界的に有名な『Nature』が、有料の「Nature Machine Intelligence」という出版物を発行しようとしたことに対して多くの研究者が反発し、「このジャーナルに対して論文提出、レビュー、編集などをしない」とする声明への署名活動が行われている。
機械学習の数学
2018年4月24日公開の下記リンク先の記事が人気になっている。これから機械学習を始めようとする方には参考になる記事だと思う。
倫理
機械学習やAIを現場で実践していくには、プライバシーや悪用など倫理的な問題は常に付きまとうだろう。どういう倫理の側面に注意すべきかを考えるうえで、以下の記事も参考になるだろう。
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まとめ
以上、GW前後に公開されて、本日まとめてチェックした記事の中から特に共有したいものをキュレーションした。Hope this helps.
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