「ロックされたわけではない」のに終わらない処理がある(パフォーマンストラブル):SQL Serverトラブルシューティング(53)(2/2 ページ)
本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は、「ロックされたわけではないのに終わらない処理がある場合の確認方法と対処方法」を解説します。
解決方法
SQL Serverの実行プランが変わってしまう場合には、以前解説したように「統計情報を更新する」ことで多くは解消されます。しかし、何らかの理由で統計情報を更新できないものの、実行プランを変更したいシーンはあり得ます。クエリストアを有効にしたシステムならば、「効率的なプランを、強制的に実行させる」ことで対処可能です。
方法は簡単です。クエリストアのメニューから効率的な方のプランを選び(今回の場合は、プランID「10」)、「プランの強制」ボタンを押すだけでそのプランを固定できます(図4)。
この作業によって、遅いプランID「8」から元のプランID「10」を使う体制に戻り、遅延トラブルも解消されました。
「ロックされたわけではない」のに終わらない処理がある」場合の対策手順
- SQL Server 2016以降では、事前に「クエリストア」を有効にしておく
- クエリストアのメニューから、遅延が発生している実行プランを確認する
- 実行プランが意図せず変わっていたならば、元のプランを使うように指定する(プランの強制)
筆者紹介
内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)
ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2016年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。
椎名 武史(しいな たけし)
ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
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