okuyamaFuseの使い方:分散KVSを使ったファイルシステム「okuyamaFuse」(2)(1/3 ページ)
分散KVSでファイルシステムを作ってしまった! 前回記事でfuseを使ったファイルシステム作成の前提を紹介しました。今回は、実際の環境を作って試してみましょう。
はじめに
前回の記事は楽しんでいただけたでしょうか? ファイルシステムの仕組みとKVSがなぜファイルシステムにすると相性が良いかを説明しました。
今回はokuyamaFuseをインストールして実際に利用していきたいと思います。
環境準備
前回でも触れましたが、okuyamaFuseはfuseの仕組みを利用しています。そのため、fuseが利用可能になっている必要があります。筆者は環境として64bitのCentOS 5.8を利用しています。まだ筆者が動作確認を行った環境は少なくCentOSとRed Hat Linuxにとどまっています。できるだけどちらかの利用を推奨します。また、JavaおよびAntのインストールも完了しておいてください。Javaに関してはバージョン6以上になります。
fuseパッケージを導入する
では、早速okuyamaFuse部分のインストール作業を進めていきます。まずお手持ちの環境にroot権限でfuseをインストールしてください。ここでは詳述しませんが、devel関係のパッケージも全てインストールしておきましょう。
$yum install fuse* $modprobe fuse
Fuse-Jのビルド
続いて、Javaからfuseライブラリを呼び出すためのソフトウェアである「Fuse-J」をインストールします。バージョンは2.4を利用します。以下のWebサイトからFuse-JのTarballをダウンロードしします。
ダウンロードしたTarballを展開します。
$tar -zxvf fuse-j-2.4-prerelease1.tar.gz
JNIを作成
展開したFuse-Jをビルドする前に、build.confにある「JDK_HOME=/opt/jdk1.5.0」が正しいかチェックしておきます。設定に問題がなければ、ビルドを進めましょう。
$cd fuse-j-2.4-prerelease1 $mkdir build $make
ビルドした後に、jniディレクトリ配下にlibjavafs.soが作成されていれば成功です。
Fuse-Jをセットアップする
$ant compile $ant dist
この操作で、distディレクトリの配下にfuse-j.jarが作成されていれば成功です。
okuyama環境作成
ここまでの作業で、OkuyamaFuse環境の前提であるFuseを使う環境が整いました。次はいよいよOkuyamaFuse環境のセットアップです。
インストール
Okuyamaのバージョン0.9.4を、下記Webサイトからダウンロードします。
Zipファイルになっていますので、展開しておきましょう。
$unzip okuyama-0.9.4.zip
okuyamaFuseのインストールおよび、実行準備
ここから実際にOkuyamaFuseをインストールしていきます。インストールディレクトリを変更する場合は適宜読み替えてください。
okuyamaFuseディレクトリを作成する
$mkdir /root/okuyamaFuse
okuyamaFuse実行環境準備
okuyamaを展開したディレクトリから、以下のファイルを、上で作成したokuyamaFuseディレクトリにコピーします。
- okuyama-0.9.4.jar
- okuyamaFuse/okuyamaFuse-0.0.1.jar
- lib/javamail-1.4.1.jar
- okuyamaFuse/lib/fuse-j-2.4/lib/commons-logging-1.0.4.jar
FUSE-Jビルド時の、以下の作成ライブラリも同様にコピーしておきます。
- libjavafs.so
- fuse-j.jar
マウントディレクトリ作成
次に、okuyamafuseのマウント用ディレクトリを用意しておきます。
$mkdir /mnt/okuyamafuse
これで準備は完了です。
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