辻本氏の講演では、統合データベース基盤の安定稼働のためにパナソニック インフォメーションシステムズが行っている、さまざまな運用上の取り組みも紹介された。例えば、管理ツールとして利用しているOracle Enterprise Managerで運用担当者が頻繁にチェックしているのはトップアクティビティーだという。
「データベースのロックや異常が発生すると即座に情報が掲示されるため、例えばパッチを当てた翌日や大きな作業をする際には、まずこの画面でシステムの状態を確認しています」(辻本氏)
また、独自にカスタマイズを行い、データベースの行ロックによりセッションがブロックされた際、どのセッションがどのテーブルをロックしているのか、それによってどれだけのセッションが待たされるのかを把握できるようにしている。
過去の傾向をモニタリングすることにより、未然にトラブルを防ぐ「傾向監視」の取り組みも進めている。具体的には、直接SQLを実行し、その平均実行時間やCPU使用率の平均推移、I/Oリクエストのシステム単位での推移、データ量の増加などを時系列で把握しているという。
「こうしたモニタリングを行うことで、テーブルの件数が増えていないのにテーブルの容量だけが増えているといったことも分かります。これにより、挙動の怪しいSQLを発見し、テーブルが断片化しているなどといった事象を早期に把握できるわけです」(辻本氏)
辻本氏は最後に、Oracle Exadataによるデータベース統合の成果も明らかにした。まず運用負担については、導入前に8システムを5人で運用していたのが、現在は7人で170システムを管理できるようになったという。つまり、システム当たりの運用工数を約15分の1に削減できたわけだ。また、コスト削減については、ライセンスや保守サポートの集約によって合理化が実現された。
IT全般統制への対応については、開発と運用の担当者を完全に分離し、DBAだけが本番環境を変更できるようにしたことで、「開発者が誤って本番環境のデータを消してしまうといったトラブルがなくなった」と説明。また、「DBAの作業を全て自動的に記録しているため、内部統制の強化にもつながった」と話す。
パナソニック インフォメーションシステムズでは、以上の取り組みを通じて蓄積したノウハウを、顧客企業へのOracle Exadata導入などのシステムインテグレーションサービスでも活用し、各社のデータベース統合を成功に導いている。Oracle Exadataによるデータベース統合に際して豊富な知見とノウハウを持つシステムインテグレーターの支援を受けたいという企業は、同社の導入支援サービスを活用されるとよいだろう。
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