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サーバの“お守り”に、さようなら!

さくらの「マネージドサーバ」を早速使ってみた


これは使える――。さくらインターネットから登場した新サービス「さくらのマネージドサーバ」を使った第一印象だ。サーバ運用は専門エンジニアに任せつつ、CPU1つ、2GBのメモリ、180GBのディスクを1ユーザーで独占できる。新サービスは、そんな、今までありそうでなかったサーバ「専有」タイプのサービス。専用サーバではハードルが高いと感じている人や、Webアプリ制作に専念したいような人は要注目。早速、ファーストインプレッションをお届けしよう。

    サーバ運用の手間やコストを削減
これが新サービスに投入される、さくらインターネット独自のAtomサーバだ(クリックで拡大)。パッと見わかりづらいが、1Uサーバの半分の幅、半分の奥行きしかなく、1Uに4台入れることができる

 11月末に発表され、12月10日にスタートしたばかりの「さくらのマネージドサーバ」とは、これまで同社が提供してきた共有タイプのさくらのレンタルサーバと、専用サーバの中間に位置付けられるサービスだ。さくらインターネット 企画部 商品企画チーム 天内雅晴さんは、こう説明する。

 「これまで弊社のプランですと、レンタルサーバの最上位プランは月額4500円でハードディスク40GB。これ以上のものをご希望の方には、専用サーバしか選択肢はありませんでした」

 専用サーバなら同社の月額7800円のエントリープランでも、メモリ1GB、ハードディスク160GBが自由に使えるが、同時にサーバOSやサーバ上のソフトウェア設定に関する知識や運用の手間も必要となるなど、一気にハードルが高くなる。コマンドラインベースのターミナルにログインしての作業となると、それなりのスキルも要求される。

 このジレンマに対して登場したのが、さくらのマネージドサーバというわけだ。専用サーバ並みの容量で、さくらのレンタルサーバのような使いやすさを提供する――、端的に言えば、これがさくらのマネージドサーバだ。root権限によるサーバ管理を不要としながら、1台分のサーバリソースを1ユーザーでフルに使えるサービスだ。

さくらインターネットが提供するサービスの分類。今回の専有型の「さくらのマネージドサーバ」はレンタルサーバの最上位に位置づけられる

レンタルサーバ 専用サーバ
共用サーバ
(さくらの
レンタルサーバ)
マネージドサーバ
(さくらの
マネージドサーバ)
専用サーバ
root権限 なし あり
サーバ 複数利用者で1台 1台を専有
運用管理 さくらインターネットの技術者 利用者自身
自由度 普通 高い

 専門のIT管理者が不在の中小・中堅企業、あるいは経費削減のために運用管理のコスト削減圧力が強いような組織では、もはや“サーバのお守り”のために人員やコストを割くことはできない。

 Web開発を中心に行う制作会社などでも、上位のアプリケーション層に専念して、OSやDBサーバ、言語ランタイムといったミドルウェアの面倒はできればみたくないというニーズも強いだろう。例えばセキュリティパッチ1つ当てるにしても、運用系であれば、万が一に備えて事前にパッチの検証や、ロールバック可能とするためのバックアップなど、さまざまな作業が発生する。こうした細々とした作業を嫌うあまり、パッチの適用頻度が下がるようなことがあれば本末転倒だ。

    リソース「専有」で容量の妥協なし

 さくらのマネージドサーバは、さくらのレンタルサーバでも使っているFreeBSD7.1をベースに、同社が創業以来蓄積してきた技術ノウハウをフル活用して24時間365日の運用管理と保守を代行してくれる。OSのセキュリティアップデートや万が一の機器障害への対応も行ってくれる。

 さくらのマネージドサーバの特徴は、さくらのレンタルサーバ ビジネスプロプランと比較してみるとよく分かる。

さくらのマネージド
サーバ
Atomプラン
さくらのレンタル
サーバ
ビジネスプロ
CPU Atom 330 1.6GHz 他の利用者と共有
ディスク容量 180GB/RAID1 40GB
利用料金 月額 7800円 4500円
初期費用 2万5000円 5000円
主な機能 WAF ○ ○
共有SSL ○ ○
MySQL 利用DB数制限なし 3個
マルチドメイン 設定数の制限なし 40
メーリングリスト ML作成数の制限なし 50
モニタリングツール ○ ―
WebDAV ○ ―

 まず、基本スペックとしてAtom 330(1.6GHz)ながらもCPUは独占。ほかの利用者と共有するレンタルサーバでは、どうしても夜間の混雑時などにパフォーマンスが低下することがあり得るが、さくらのマネージドサーバなら、リソース面から見れば専用サーバに近い。I/Oバウンドな処理では大きな差が出ないかもしれないが、昨今のコミュニティ系、ブログ系のソフトウェアには動的コンテンツも多く、DBサーバの性能とともに、CPU性能もパフォーマンスに影響してくるだろう。画像を多く扱うようなサイトであれば、なおさらだろう。会員制サイトやECサイトなども同様だ。

 また、Atom系プロセッサといっても、Atom 330はハイパースレッディング対応の2コア構成というアーキテクチャのため、同時実行スレッドは4本と、WebサーバやDBサーバでは安定したスループットを出しやすいという特徴がある。むしろ、すでに実績もあるさくらインターネットの自社製1Uクオーターサーバ(さくらインターネットでは、自社設計の小型サーバを利用している)を使ったことで高集積化でき、こうした結果として月額7800円とマネージドサーバとしては非常に割安感のあるサービスに仕上がっていると言えそうだ。

 話をリソースの専有に戻そう。

 もちろん、1台のサーバ上に相乗りする共有サーバ(レンタルサーバ)であっても、十分なセキュリティが保たれているほか、極端なパフォーマンス低下は考えづらい。しかし、ほかのユーザーの利用状況によっては一時的に性能低下やトラブルの巻き添えといった事態は起こり得る。これは、共有サーバと、専有サーバとしてのマネージドサーバの大きな違いだ。さくらでは新サービスを従来のレンタルサーバのラインナップの1つとして組み入れながらも、「共有」「専有」という用語で2つのサービスを区別するようにしている。今回の新サービスでは、リソースの使用率に敏感な利用者のニーズに応えるモニタリングツールを標準装備しているのもうれしい。モニタリングツールはjQueryを使った動的なUIが印象的だ。表示したい領域をマウスでドラッグすると、ロードアベレージ、トラフィック、物理使用メモリがグラフで表示される。

今回新たに開発したというモニタリングツール(クリックで拡大)。ブラウザ上と思えない動的なインターフェイスで、表示期間の変更などはマウス操作で直感的に行える

 専有のメリットとして処理性能に加えてもう1つ見逃せないことがある。それは、そもそも会社のポリシーとして、共有サーバに業務関連のデータを置けないことがあるということだ。請け負い開発やWebサイトの運用代行の場合でも、この要件が入ったケースはあるだろう。この点でも、物理サーバやストレージを専有するさくらのマネージドサーバなら、要件はクリアしている。

    Webブラウザから手軽に管理

 root権限ごと運用管理を任せられるというメリットに加えて、さくらのマネージドサーバでは、各種サーバ設定が手軽にできるという点も見逃せない。

 実際に申し込みが終わり、サーバが使えるようになった状態から、Webブラウザで「サーバコントロールパネル」にアクセスして使ってみると、操作はいたってシンプルであることが分かる。

 例えば、サーバ利用者の追加は、従来であればターミナルでログインして「adduser」などコマンド操作をする必要があった。Web画面であれば、トップ画面の左メニューから「ユーザ管理」を選択し、「新しいユーザーの追加」として現れる以下のような画面のフォームに必要事項を記入するだけで作業は完了する。

ユーザー追加の管理画面(クリックで全体表示)。シンプルなWebのUIで日常的なサーバ管理を行える

 使ってみて気づくのは、メニューがよく練られていることだ。まず、ほとんどの作業が「左のメニューで選ぶ」→「右側に出るフォームで設定する」という流れで行うことができ、ほとんど迷わない。細かなことだが、メニューを選択したときに画面遷移が起こらないことで、迷子になるような感覚を受けずに済む。一部、データベースの設定などで、まったく別の画面にジャンプする例外はあるが、「メールとユーザ管理」「サーバ情報とパスワード」「サイトに関する設定」「サーバツールの設定」「サポート」と左メニューには利用頻度に応じて、うまくメニューがまとまっている印象だ。

    複数人で管理業務の分担も

 日々の管理業務負荷を低減する工夫も目を引く。例えば、「ユーザ初期設定」からデフォルト設定を変更して、「メール利用の有無」「メール容量(MB)」「ウイルスチェックや迷惑メールフィルタの利用、動作設定」を決めておけば、利用者の追加はユーザー名やパスワードを入力したあとに「追加」をクリックするだけと手軽だ。メール容量のデフォルトは200MBとなっているが、小規模オフィスなどであれば、もう少し多めにしておいても良さそうだ。

 管理者権限についても、よく考えられている。すべてのサーバ管理操作が可能な「管理者」以外にも、ユーザー設定やメール設定だけが行える「準管理者」、アクセスログとDB関連が設定できる「Web管理者」といった役割が定義されている。これらの役割をユーザーごとに割り当てることができるのだ。ユーザーの追加ぐらいであれば、一定の役職以上の人すべてが行えるなどしておけば、IT担当者だけに細々とした管理業務が集中することはない。

 もう1つ、非常に細かなことのようだが、「ユーザの一括編集」機能もかゆいところに手が届くメニュー項目だ。アカウントの停止や削除、メール容量の変更といったものを、1つ1つのアカウントに対して行うのではなく、一気に1つの画面で設定を変更してそれを反映するといった管理作業が可能なのだ。Web UIは便利である反面、画面遷移が多いと作業がもどかしくてウンザリすることになる。

 この辺りは、さくらのレンタルサーバの長い運用経験の中で、ユーザーの声を吸い上げながら独自開発のメニューを洗練させてきた、さくらインターネットの面目躍如と言えると思う。

管理権限は3種類の分かれていて、ユーザー単位で役割を設定できる
ユーザーの各種設定は一括で変更して反映させることができる。細かなことだが、かゆいところに手が届くタイプの機能だ

    ファイル交換にありがたい「WebDAV」もクリック一発!

 今回試用してみて、これは便利だと思ったのがWebDAVによるファイル共有機能だ。

 例えばサーバを一時的なファイル置き場として、大きなファイル交換に使いたいというニーズがあるだろう。こうした場合、従来であれば外部のファイル転送サービスを使うか、FTPサーバを立てるといった対応を行ってきたかもしれない。

 さくらのマネージドサーバは、まさにこうしたニーズをくみ取り、FTP以外にも、WebDAVが利用可能になっている。Webブラウザでアクセスできるコントロールパネルから、フォルダごとに利用するユーザーのパーミッションを加えていけば、それだけで社外とのファイル交換などに使える。Web制作会社であれば、重たいグラフィックや動画データのやり取りで重宝するだろう。

 WebDAVであれば、特別なクライアントソフトを用意しなくても、Windows、Mac OS Xともに簡単にフォルダのように扱える。FTPでは、専用ソフトを使わないと使い勝手が悪かったり、パスワードが平文でやり取りされるケースがあるなどセキュリティの確保がかえって難しい面もある。これに対して、HTTPS(SSL)上でデータをやり取りするWebDAVは、実はセキュリティと扱いやすさのバランスが良い。WebDAVがワンクリックで使えるのは実用的だ。ファイル置き場の常として、利用者が利用済みの古いファイルを消さないために必要以上にディスクスペースを消費するということもあるかもしれないが、今回のサービスは180GBと初めから大容量なので安心感が違う。極端な話、並のデータ量であればバックアップ先として使えるぐらいの大容量だ。

 実際試してみたところ、WebDAVの利用は至って簡単だった。まず、サーバコントロールパネルから「ファイル共有(WebDAV)」メニューを選択。新規フォルダ作成時に、そのフォルダへのアクセスを許可するユーザーを指定する。操作はシンプルなWebのUIで直感的だ。

 サーバの設定が終わったら、今度はクライアント側だ。

 WebDAVでフォルダ共有を利用するユーザーは、Windowsなら「マイネットワーク」から「ネットワークプレースを追加する」メニューを選択。ウィザードにしたがって、対象URL(コントロールパネルに表示されている)、ユーザー名、パスワードを入れ、適当な名前(例えば「sakura-pub」)をつければ、以降はフォルダアイコンをクリックするだけで、通常のフォルダに近い感覚で扱える。実際にはWebDAVではファイルの直接オープンができないので、アプリケーションから直接開いて編集、ということまでは無理なのだが、それでもドラッグ&ドロップによるフォルダ間のファイルコピーの手軽さはほかに代え難い。特にITに詳しくない利用者が多いケースにはうってつけだろう。

 実際に大きな写真を含む約20ファイル、100MBほどのデータをアップロード/ダウンロードしてみたが、非常にスームズだった。最近、コンシューマー向けのフォルダ共有サービスもいろいろと登場しているが、容量や帯域の問題から、ビジネス向けとしては心細いのも事実。十分な帯域が常に自分たちのビジネスだけに予約されていて快適であることから、この機能だけでもさくらのマネージドサーバは対価を払う価値があると言えるだろう。

ファイル共有(WebDAV)の設定画面(クリックで拡大)。ユーザー単位でアクセス制御が可能だ
ファイル共有(WebDAV)のクライアント側の設定画面
ウィザードにしたがって、ファイル共有のURLを入力する
利用者のIDとパスワードを入力する
マイネットワークの中にアイコンとしてWebDAVのフォルダが追加された(クリックで拡大)。右下は実際にフォルダを開いてファイルを置いた(サーバへアップロードした)様子

    MySQLのデータベース作成数は無制限

 専用サーバと異なりセットアップなどの手間なしに、Webブラウザ上からMySQLのデータベース作成と利用が可能なのは、さくらのレンタルサーバと同様の手軽さだ。

 その一方、さくらのレンタルサーバの最上位プランでも上限が3つまでだったMySQLの利用DB数は、さくらのマネージドサーバでは無制限となっている。当然、DBサーバもストレージを専有しているため、共有サーバのようなパフォーマンス低下は起こりづらい。夜間のECサイトなどであれば、レスポンスの善し悪しは売り上げに直結する話となるので、見逃せないポイントだ。

 さくらのレンタルサーバで最大40個までだったマルチドメインの数についても無制限となっている。40個といえば、もともと無制限に近いほどの数だったとも言えるわけだが、この辺り、請け負いを数多くこなすWeb制作会社にとっては安心感があるだろう。

 実際のMySQLの利用は簡単だ。phpMyAdminというオープンソースの管理ツールがベースとなっているので、DB作成、文字コードの指定、SQLの実行、DBのインポート/エクスポートなど、ほとんどの作業をGUIのみで行える。

 もちろん、MySQLに限らず、Apacheなどサーバソフトウェアに関して、パッチ当てなど面倒な作業はさくらインターネットが行ってくれるため、こうした管理業務からも開放される。本格的なシステム構築であれば別だが、ほとんどのWebアプリケーションにとって、むしろ専用サーバより好ましい場合もあるだろう。さくらインターネットでは今後、Atomサーバ以外にも、上位プランを検討しているというので展開が楽しみだ。

管理ツールのphpMyAdmin(クリックで拡大)。データベースやテーブルの作成、管理、SQLの実行、データのインポート、エクスポートが行える

    PHP開発者にもうれしいWAF標準装備

 OSやDBサーバの運用が任せられるため、セキュリティは万全。「でも正直、Webアプリケーションの作り方によってはセキュリティリスクが……」、と不安に感じている開発者はいないだろうか。Webアプリ開発ではSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング対策などが必須だ。

 もちろんプロとして脆弱性を作り込まないのは基本だが、最近高性能化している「Webアプリケーションファイアウォール」(WAF)による防御が期待できる安心感はありがたい。さくらのマネージドサーバでは、ジェイピー・セキュア社が開発したシグネチャベースのWAF、「SiteGuard」を標準で提供しており、フォームなどから仕掛けられる各種攻撃を検知して防御してくれる。

 WAFの設定は「利用する/利用しない」というだけのシンプルなもの。利用を始めれば、検知したアタックのログを3カ月間、最大1000件まで保存してくれる。

Webアプリケーションファイアーウォール(WAF)の設定画面。特に設定項目はない

 これは、マネージドサービスの登場によりサーバ運用とWebアプリ開発の分業が進むように、低レイヤのセキュリティは専門家が設計・実装したアプライアンスがある程度カバーするようになる、という進化とみて良さそうだ。OSやミドルウェアの運用・管理、脆弱性への配慮などから解放され、マネージドサーバならアプリ開発やWebサイト作りに集中できる。これが「専用」サーバにはない、さくらのマネージドサーバのメリットだ。

 さくらのマネージドサーバは、さくらのレンタルサーバをベースに開発したものであるため、オプションではなく標準価格にWAFやメールのウイルスチェック機能が含まれている。ECサイト運用などで必須となるSSLに関しても、共有SSLであれば、さくらのレンタルサーバ同様に手軽に証明書を利用できる。

    このマネージドサーバは誰に向くのか?

 マネージドサーバは、いまやホスティング業界のトレンドの1つだ。さくらインターネットの参入は特に早いというわけではない。競合他社のメニューに目を移すと、数多くのアプリケーションをワンクリックインストールできるようにしたり、決済サービス連携やグループウェア機能、バックオプションなどを豊富に用意するなど手厚いサービス体系を築き上げているところもある。

 手厚いメニューがあるサービスは、当然ベースとなる基本料金が高めで、料金はオプションごとに上積みされる。もちろん、今後のビジネスの発展の可能性を考えて、最初からオプションが多いところを選ぶのも賢明な選択だろう。

 一方、さくらのマネージドサーバは、コストパフォーマンスの高いチャレンジングな価格設定と、最も必要とされている機能に絞って作り込んだシンプルさが光る。「PHPによるWeb開発に集中」というWeb制作のシーンでは、ほとんどサーバのことを忘れて本業に専念できるメリットは大きく、そのために欠けているものはない。あるいは、読者がもし中堅企業でWebサイトや利用者コミュニティ、ECサイトなどの運営などを行っているのだとしたら、サーバ運用だけをプロに任せられる安心感はほかに代え難い価値となるだろう。「ほかに分かる人がいないから」という理不尽な理由でITシステムの管理を任されているSOHOの"技術担当者"には、この新サービスは朗報だろう。

    Ruby on Railsだって入れられる

 もちろん「セキュアなOSプラットフォーム+豊富なハードウェアリソース」と割り切って、Ruby on Railsを自力でインストールする強者が使っても、さくらのマネージドサーバは「使いで」があるだろう。多少重たい処理を行うCRONを回したり、ボットを作るといったことも共有サーバでは難しいことだ。

 専用サーバに比べれば自由度が下がるといっても、sshでログインしてしまえば、必要なソフトウェアのビルドも普通にできる。CRON設定にしてもコントロールパネルで行う以外にも、シェル上で行っても構わない。ちょっと検索すれば同様の試みをしている利用者が多く見つかり、設定情報が豊富にある。この点は、実は知る人ぞ知るさくらインターネットの利用メリットだ。ブログなどにも有用な情報は多いが、特に「さくらのレンタルサーバ非公式FAQ」では、ちょっと信じられないほど突っ込んだ情報交換をユーザー同士が行っている。

 正直、これだけLinuxが普及した今となってはFreeBSDにクセを感じる利用者もいると思う。しかし、シェルにはbashも使えるし、たいていのものはroot権限がなくてもmake一発でインストールできる。これは同じUnix環境だからこそできることだ。gccのツールチェインも利用できる。試しにRuby 1.9.1、Ruby on Rails 2.3.5、SQLite 3.6.21と立て続けに最新バージョンをビルドしてみたところ、途中5、6回ほどライブラリのパスの問題などでつまずいたが、すべて同様の事例を検索して解決。30分ほどで問題なく最新版Railsが動いた。

sshでログインすれば、かなり自由にソフトウェアを入れられる

 もちろん最初からメジャーなソフトウェアはインストールされている。例えば、言語処理系ならPerl 5.8.9、PHP 5.2.11、Ruby 1.8.7、Python 2.6.4などが使える。

 日本の都市部にデータセンターがあるため、sshでログインした作業が快適というのもポイントだ。最近はAmazon EC2や海外の安いVSPサーバなどがあるが、頻繁にログインする作業があるようだと、遅延のためにストレスを感じる場合もある。手軽に多数のインスタンスを起動できるなど、Amazon EC2にはメリットも多いが、ログイン作業ならさくらのサーバのほうが快適だ。例えばEmacsを起動して使ってもまったくストレスを感じない。

 どういった利用者層であれ、サーバの“お守り”ではなく開発に集中したいとか、運用フェーズでできるだけ手をかけたくないという開発者には、むしろ専用サーバよりもうってつけのサービスが登場したと言えそうだ。今後は、バックアップオプション、CMS関連ツールのワンタッチインストール、セキュリティオプションの強化など、まだまだ拡充予定というので展開が楽しみだ。

さくらのマネージドサーバの機能一覧や使用申し込み方法は、さくらインターネットのサイトで確認できる。最速で当日からの使用も可能だ。

>>サーバ1台まるごと専有「さくらのマネージドサーバ」について


関連リンク
さくらインターネット
さくらのマネージドサーバ


提供:さくらインターネット株式会社
アイティメディア営業企画
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2009年12月31日

INDEX
  サーバ運用の手間やコストを削減
  リソース「専有」で容量の妥協なし
  Webブラウザから手軽に管理
  複数人で管理業務の分担も
  ファイル交換にありがたい「WebDAV」もクリック一発!
  MySQLのデータベース作成数は無制限
  PHP開発者にもうれしいWAF標準装備
  このマネージドサーバは誰に向くのか?
  Ruby on Railsだって入れられる

関連リンク
さくらインターネット
さくらのマネージドサーバ

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