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「特許技術」「先読み」「キャッシュ」でアプリケーション |
企業におけるITの利用形態が多様化しつつある中で、いま、WAN回線にまつわる課題が徐々に顕在化しつつある。リバーベッドテクノロジーが提供するSteelheadは、それらの課題を解決するためのWAN最適化製品だ。同製品の特長は、その圧倒的な性能の高さにある。本稿では同製品の概要と、その性能の高さを支える3つの技術について探りたい。
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WAN回線が抱える課題が ビジネスのボトルネックに |
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帯域幅の不足や遅延によるスループットの低下がWAN回線の課題として指摘されるようになって久しい。そしていま、ITの利用形態が着々と進化を遂げるなかで、それらに起因する新たな問題も生まれている。例えば、アプリケーションのレスポンスの低下もその1つ。管理性やセキュリティの向上を目的に、各種アプリケーションのサーバをデータセンター側で集中管理する企業が増えていることを受け、WAN回線がアプリケーション利用時のボトルネックとなる問題が顕在化しているのだ。
また、ここにきてデータ保護の観点から、これまで各拠点に設置されていたストレージを統合する気運も急速な高まりを見せている。だが、同様の理由からストレージを統合した場合には、アクセスに多くの時間を必要とするなど、その利便性が損なわれるとともに、データのバックアップのために膨大な時間を必要とせざるを得なくなっている。
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アプリケーションの高速化を 実現する3つの技術とは? |
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このように、WAN回線が抱える慢性的な問題と、そのことに起因するアプリケーション、ストレージに関する問題は、企業のビジネス効率をさまざまな面で大きく低下させていて、それらへの対応が企業にとって急務となっている。そして、そのための最適な手法を提供する製品と位置付けられるのが、リバーベッドテクノロジーが提供する「Steelhead」なのである。
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「Steelheadアプライアンス(上から順に、小規模オフィスモデル、中規模オフィスモデル、大規模オフィスモデル/データセンターモデル)」(画像をクリックすると拡大します) |
Steelheadは「アプリケーションの高速化」と「帯域の最適化」を主眼に置いた、WAN最適化のためのアプライアンス製品だ。リバーベッドテクノロジーでマーケティングマネジャーを務める伊藤信氏は、「Steelheadを利用することで、アプリケーションのパフォーマンスを最大で200倍も改善させることが可能。幅広い製品ラインアップをそろえていて、256Kbps〜4Gbpsのスループットの最適化に対応でき、あらゆる規模のオフィスのニーズに対応することもできる」と製品の強みを説明する。
では、同製品がこれほど高い能力を備えているのはなぜなのか。それは、同製品の最適化システムソフトウェア「RiOS」を構成する3つの技術を解説することで説明できよう。
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データレベルのキャッシュで 転送量を大幅削減 |
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1つ目に紹介するのは、WAN帯域を最適化するための技術「データストリームライニング」だ。同技術はSteelhead内のデータストアにデータをキャッシュさせ、キャッシュされたデータを再度、転送する際に、そのリファレンスと差分データのみを転送するもの。
データのキャッシュ機能は一般的に利用されているものの、それらのほとんどはWordやPowerPointなど、アプリケーションごとにファイル単位でデータをキャッシュする方法が一般的。対してSteelheadでは、ファイルの種類を問わず、転送時におけるパケットのペイロード上のデータを基にデータをキャッシュするため、キャッシュの利用効率を大幅に高めることができ、帯域占有率を60〜95%も削減可能なわけだ。加えて、その仕組みから既存のQoS(Quality of Service)環境に影響を与える心配も一切ない。
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災害時に使われる気象衛星写真などを 短時間で配信可能な特許技術 |
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2つ目に紹介するのは、トランスポートプロトコルに起因する遅延を解消するための技術「トランスポートストリームライニング」である。通常、TCPパケットはネットワークのトラフィック状況に応じてペイロードのサイズが16〜100bytesまで変化する。しかし、同技術はウィンドウサイズをできる限り拡大した状態を維持させ、オーバーヘッドを削減することで、データの転送効率を大幅に高めることができる(図1)。
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図1 「トランスポートストリームライニング」(仮想Window拡張) |
具体的には、「HS-TCP」というモードでは最大値の80%程度、同社が特許を取得している「MX-TCP」というモードでは、ほぼ最大値の状態を維持。これにより、パケットロスが発生した場合にパケット長をいったん絞り徐々にサイズを広げるという通常の方式に比べ、オーバーヘッドを60〜98%も削減している。例えば、災害時に使われる気象衛星写真などを短時間で配信できるのだ。
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データの“先読み”で レスポンスタイムも短縮 |
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3つ目に紹介するのは、遅延の影響を軽減するための技術「アプリケーションストリームライニング」だ。一般的にいうと、PC間でデータのやりとりを行う際には、最初に通信を確立するためのネゴシエーションの作業は欠かすことができない。だが、そのためには複数回のデータのやりとりを行わねばならず、ネットワークに遅延が生じている場合にはそのことが原因でネットワークの遅延が積み重なり、結果としてレスポンスタイムの大幅な低下を招くことになる。
これに対して、「アプリケーションストリームライニング」は、ネゴシエーションの完了前からSteelheadが転送元のデータをいわば“先読み”することで、レスポンスタイムをクライアントとサーバ間のレスポンスタイムを65〜98%も削減するもの(図2)。転送可能なデータもCIFSやNFS、MAPI、Oracleなど一般的なものはすべて網羅している。
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図2 「アプリケーションストリームライニング」(トランザクション予測) |
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WAN通信最適化を自動的に 判断する設置のしやすさも |
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こうした技術的な優位性に加え、設置のしやすさもSteelheadの大きな魅力。リバーベッドテクノロジーでテクニカルコンサルタントを務める寺前滋人氏は、「導入に当たっては、ルータとスイッチの間への設置作業と共に、SteelheadにIPアドレスを割り振り、デフォルトゲートウェイ などを設定するだけで作業は完了する。後は、Steelheadが通信先のSteelheadの有無を基に、通信を最適化するかどうかを自動的に判断するため、設置が極めて容易なのもSteelheadの大きな特長」と導入の容易さを説明する。これらのメリットが好感され、同製品を導入する企業はCADデータのやりとりが頻繁に発生する製造業をはじめ、さまざまな業種・業態で急速に拡大しているという。
また同社では、モバイル環境での通信の最適化を実現する「Steelhead Mobile」やアプライアンスを一元的に管理するための「集中管理コンソール」もラインアップに用意。機能拡張のためのファームウェアの更新も頻繁に行われており、細かなユーザーニーズのくみとりにも余念がない。
SteelheadはWAN回線にまつわる企業の課題を解決するために、欠かせない存在となりそうだ。
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『大幅なコスト削減を可能にするWDS - Steelheadシリーズ』 WDS (ワイド・エリア・データサービス)が牽引するWAN高速化や最適化による生産性の向上と遠隔地との共同作業の効率化については、沢山の記事や書物で紹介されているが、WDSの投資は多くの場合、コスト削減という観点で正当化する事が出来る。これらのコスト削減は、業務へ悪影響を与えず実現できている。事実、WDSは殆どの場合、業務効率を上げながらコスト削減を実現している。リバーベッドの、4000社以上の中小企業から大企業の顧客はコスト削減を実施しながら、生産性を向上している。また、強力なコスト削減をIT統合や帯域削減により、投資回収を数ヶ月で実現している。 ![]() |
提供:リバーベッドテクノロジー株式会社
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2008年7月24日

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『大幅なコスト削減を可能にする WDS - Steelheadシリーズ』 WAN最適化・高速化でどれ程コスト削減が可能なのか? 200倍以上の高速化、98%以上の最適化で費用対効果の高いWDS(ワイド・エリア・データサービス)製品 Steelheadシリーズについて解説。 ![]() |
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