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書類や帳票など、各種の紙文書をスキャンして電子化し、一元的に管理・活用するというソリューションは以前からあるが、e-文書法の施行といった法的環境が整ったこともあって、これに取り組もうという企業・団体が増えている。そうしたニーズに応えるのがキヤノンソフトウェアのドキュメントソリューション、そしてそれを支えるキヤノン製高性能スキャナーとスキャナー連携ソフト開発キット「CapturePerfect SDK」だ。
帳票の電子化を実現する高性能スキャナーとソフトウェア開発キット |
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オフィスではIT活用によるペーパーレスへの取り組みが続く一方で、証明書類や申込書、各種伝票などの紙媒体も依然として使われている。紙に記された情報と、コンピュータで管理している情報をうまく連携させ、とり回すことのできるシステムづくりは、業務効率を上げるための重要な課題といっていいだろう。
紙文書をデジタル情報として取り込むシステムを構築する際に重要なアイテムは、原稿を確実に読み取るデバイス──すなわち高性能スキャナーと、そのデバイスにスムーズにアクセスできるソフトウェアである。今回は、キヤノン製多機能ドキュメントスキャナーDRシリーズと、それを活用するためのソフトウェア開発キット「CapturePerfect SDK」を使用した事例として、キヤノンソフトウェアのドキュメントソリューションを紹介したい。
キヤノンのDRシリーズは、高画質の高速読み取り機能と確かな原稿配送機構、精度の高いOCR機能を持ち、確実に大量の文書を電子ファイル化することができる高機能ドキュメントスキャナーである。スキャナーとしての性能もさることながら、このシリーズの大きな魅力の1つに、スキャンユーティリティを外部アプリケーションから操作するためのソフトウェア開発キット「CapturePerfect SDK」が用意されている点がある。
「CapturePerfect SDK」を使用すればDRシリーズの提供するほぼすべてのスキャナー機能にアクセスできるため、カスタムアプリケーションの中にスキャン操作機能を手軽に組み込むことができるのだ。WindowsのDLL(ダイナミックリンクライブラリ)として提供され、VBから利用できる。詳細なマニュアルも同梱されているため、VBの初歩的な理解があれば、DRシリーズを活用したアプリケーションの開発がスムーズに行えるのだ。ドキュメント管理システムを開発するSIerにとっての利便性は大きい。
実際にDRシリーズと「CapturePerfect SDK」でどのようなシステムが実現できるのか、この2つを活用しているキヤノンソフトウェアの取り組みを紹介しよう。
年金システムソリューション |
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キヤノンソフトウェアでは、企業年金基金に向けて年金システムソリューションを提供している。確定給付企業年金、厚生年金基金形態における加入員(者)管理システムを用いて、制度の改変にも柔軟に対応し、加入者からの問い合わせにもスムーズに応じられるよう各基金の制度に合わせてSIを行う総合的なソリューションである。この中で、近年は特にドキュメント管理のニーズが増大し、そのソリューションに注目が集まっているという。
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キヤノンソフトウェア株式会社
第一ソリューション事業本部 ドキュメントソリューション事業部 DS事業推進部 DS事業推進課 桑原秀樹氏 |
キヤノンソフトウェアの桑原氏は、このシステムの特長を次のように語る。「年金システムでは、源泉徴収票をはじめとする各種の帳票をスキャンし、そのデータをユニークな個人に紐づけ、簡単に検索できるよう一元管理します。スキャニングにDRシリーズを用いたことで、サイズも紙質も違うさまざまな帳票が混ざっていても、各人ごとにひとまとめにしてカバーシートで区切っておくだけで、まとめて複数人の分の書類を一括スキャンできます。スキャンした後、データは自動的にシステム側で誰の何の書類かを分類し、またOCRでインデックスを付けてファイル化することも可能です」
つまりエンドユーザーは、書類を同じ人ごとにまとめてスキャナーのシートフィーダに置き、パソコン画面のボタンをクリックするだけ。パソコンやスキャナーなどのデジタル機器にうといユーザーでも負担なしに行える、シンプルな業務フローを実現している。この“カンタン”スキャニング・カスタムアプリケーションの開発に使われたのが「CapturePerfect SDK」だ。
「私の部署では以前に船舶関係の案件で、関連帳票をスキャンして電子管理する開発の実績がありました。その案件で重要視されたのは、ユーザーがスキャン機能のユーティリティをいちいち設定しなくて済むような、簡略化されたユーザーインターフェイスでした。最終的には、ユーザーは『スキャンしますか?』というメッセージに対して[スキャン]というボタンを押すだけで、後はシステム側ですべての処理が自動的に完了するようにし、好評をいただきました。今回の年金システムにも、その仕組みを応用したのです」(桑原氏)
船舶関連システムにおけるスキャン処理の流れ |
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開発者の視点から見る「CapturePerfect SDK」の利便性 |
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キヤノンソフトウェアが開発したスキャン画面は、利用者が迷わないように極めてシンプルなユーザーインターフェイスに仕上げられており、[スキャン]ボタンをクリックすると、スキャナーにスキャニングを始めるよう命令を発するだけ。正常系の動作はごく単純だ。しかしこのシステムで重要なのは、エラーが発生したときに分かりやすく原因を知らせ、パソコンに詳しくないユーザーでもエラー原因を取り除いて現状を回復できるものを作り上げることだった。
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キヤノンソフトウェア株式会社
第一ソリューション事業本部 ドキュメントソリューション事業部 DS事業推進部 DS事業推進課 白鳥政氏 |
実際、開発に携わった白鳥氏は、「CapturePerfect SDK」を用いた開発のメリットとして、デバイスのステータスを細かく取得できる点を指摘する。
「エラーのステータスが細かく取得できるので、紙が重なったまま送られたときや、原稿が斜めになっているとき、紙をセットし忘れてスキャンボタンを押したときなどに、エラーをキャッチして処理を停止し、ユーザーに的確なメッセージを表示する作り込みが比較的容易に実現できました。また、スキャナーの不具合だけでなく、パソコンやアプリケーション側の動作環境も取得できるので、例えばスキャナーとパソコンのUSB接続がうっかり抜けていても、『スキャナがPCに接続されておりません』とメッセージを表示できます。エンドユーザーの中にはパソコンに詳しくない人も多いのですが、問題なくご使用いただいているようです」
一方、開発ツールとしての「CapturePerfect SDK」の使い勝手はどうなのだろうか。アプリケーションからスキャナーにアクセスする際のソフトウェアインターフェイス標準としてはTWAINがよく知られているが、これは構造が分かりにくい、汎用標準のためスキャナーの全機能にアクセスできるとは限らないなどの問題がある。TWAINと「CapturePerfect SDK」による開発を比較した印象を、白鳥氏はこう語る。
「TWAINと比較しても、開発者に理解しやすいと思います。パッケージとしてDRシリーズのほぼすべての機能にアクセスできるAPIが提供されているので、開発時に記述するコードは少なく抑えられました。設定値についても付属のドキュメントに詳しく書いてありますから、ほとんど困ることもなく短期間で開発できます。VBは知っているけれどスキャナーには詳しくないという開発者にとっても十分使いやすいのではないでしょうか」
システムの安定性についても、桑原氏が折り紙をつけてくれた。
「1日に数千枚をスキャンするというお客さまにも納入しましたが、導入して2年間、DRとCapturePerfect SDKまわりでの障害は報告されていません。信頼性の高さも心強く感じました」(桑原氏)
ドキュメントスキャン専用機であるDRシリーズの性能を最大限引き出し、同時に個別のユーザーニーズに合わせた開発を素早く行える「CapturePerfect SDK」によって、誰にでも分かりやすく、ハードな使用にも耐えうるシステムが出来上がったというわけだ。
ドキュメントソリューションの展望 |
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キヤノンソフトウェアでは現在、1. Canon Product連携Solution、2. PDF関連SI(Adobe® LiveCycle™ ES)、3. アーカイブソリューション(ECM)、の3本柱を中心にまったく新しいユニークなドキュメントソリューションへの取り組みを展開している。オフィスのドキュメントは現状ではまだ、紙、HTML、PDF、イメージファイルなどがそれぞれ独立して管理されているのが一般的だが、それらを統合し、ドキュメントのワークフローを含むすべてを統合的に取り扱えるプラットフォームのSI提供に着手しているのだ。
キヤノンソフトウェアの「ドキュメントソリューション」概要 |
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「RIAからも紙からも既存システムからもインプットが可能で、インターフェイスはPDFやFlashを利用し、さらにアウトプットとしては複合機やプリンタに紙として出力したり、RIAとして整えることもできる。バックエンドのシステムは他社と協力して進めています。
単にドキュメントを電子化して検索を容易にするだけでなく、取り込んだデータを柔軟に加工し利用することはもちろん、ビジネスアプリケーションとしてインターフェイスも機能もリッチに、かつドキュメントのビジネスプロセスをも管理するソリューションを提供可能です」(桑原氏)
この新たなスキームでも紙情報の取り込みに関しては、DRシリーズと「CapturePerfect SDK」を用いた開発が前提だ。キヤノングループ全体として、インプットにもアウトプットにもデバイスを持っていることで、ドキュメント周りについてトータルな提案ができるところが強みでもある。
「キヤノングループということもあって、DRシリーズとCapturePerfect SDKの使い勝手の良さ、開発の利便性は熟知していました。とはいえ同じグループだからというのではなく、デバイスに専門知識を持つ立場からしても、スキャン関係の開発案件ならばDRシリーズ+CapturePerfect SDKしかないと思っています」(桑原氏)
真にユースフルなドキュメントソリューションを目指すSIerにとって、DRシリーズと「CapturePerfect SDK」の組み合わせは福音となりそうだ。
■取材協力 社名:キヤノンソフトウェア株式会社 本社:〒108‐8317 東京都港区三田3‐9‐6 事業内容:エンジニアリング事業、ソリューション事業 |
■DR-X10C 最大読込みサイズ:[A3] 100枚/分 | ||
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〜CapturePerfect SDK 導入事例紹介〜 |
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提供:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノン電子株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT情報マネジメント編集局
掲載内容有効期限:2008年06月30日
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CapturePerfect SDK |
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キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン |
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