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@IT > 基幹業務を革新するリッチクライアントの世界 |
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企画:アットマーク・アイティ 営業企画局 制作:アットマーク。アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2004年2月29日 |
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いま、コスト削減やビジネス環境の変化への素早い対応が求められている。これがシステムのオープン化を促し、業務アプリケーションのWeb化が進められている。Webアプリケーションは、シンプルで統一されたユーザーインターフェイスによって営業マンでも使いこなすのを容易にした。さらに、HTTPという標準技術を用いるだけで外出先からでも使えるという利便性があった。 その一方で、Webアプリケーションによるオープン化がうまく適用できない分野がある。伝票入力のような定型業務において、Webアプリケーションのユーザーインターフェイスは十分なものとはいえず、むしろ作業効率が低下する結果となった。 こうして、Webのメリットを失わず、しかも業務端末のような快適な操作性を兼ね備えたソリューションが求められるようになった。それを受けて登場したのが、リッチクライアント「Biz/Browser」と、その開発環境「Biz/Designer」である。
リッチクライアントを称する製品はいくつかあるが、中でも「Biz/Browser」はミッションクリティカルな業務システムに特化しており、その使い勝手は高い評価を得ている。 Biz/Browserが提供する入力機能は、業務専用端末に匹敵する。IMEの自動制御やキーボードフォーカスの設定、ファンクションキー割り当て、スプレッドシート表示やカレンダーによる日付け入力など。さらに、入力フィールドの移動や確定に[Enter]や[Tab]キーを割り当てたり、入力フィールドに対して制限値を指定して、制限を超えた値を無効化したり赤字で表示させることも可能だ。業務専用端末にとっては当たり前のことが、Webブラウザ上でも実現してしまうのである。
アクシスソフト株式会社マーケティンググループジェネラルマネージャで、リッチクライアントエバンジェリストの山形浩一氏はこう語る。 「こうした入力機能は、Internet ExplorerでもJavaScriptを駆使すれば不可能ではありません。ただし、多大なコーディング労力、プログラミングスキル、サーバ側のチューニングなどが必要になり、採算が合いません。Javaアプレットも実用に耐えません。Flashという選択肢もありますが、Flashはもともと画像処理のために開発されたものです。例えば、BtoCを対象としたアパレル系販売サイトなら威力を発揮しますが、伝票入力のようなデータ入力や照会であれば、Biz/Browserの方が適しています。違いをより明確にするなら、Flashは主にBtoCやBtoEの入口までです。Biz/Browserは業務で使うために生まれた製品です」
Biz/Browser用GUI開発環境が「Biz/Designer」だ。Visual BasicやDelphiに近いユーザーインターフェイスを備えており、これらの開発環境を使った経験があればすぐに使いこなせるだろう。
ボタンやラベルといったオブジェクトをフォームに配置して、プロパティやイベントを設定するだけで、簡単にGUIを設計できる。エディタには入力に応じて適切なプロパティやメソッドの候補をリスト表示する「プロパティ補完」機能やメソッドの記述中に引数の書式をヒント表示してくれる「パラメータヒント」機能などがあり、コーディング作業を支援してくれる。ブレークポイント設定やステップ実行はもちろん、通信ログ表示機能やデバッグ機能の充実度も見逃せない。
Biz/Browserは単独またはInternet Explorer上で稼働し、Webサーバ上の設計要素を読み込んでアプリケーションを実行する。この設計要素が「CRS(Chain Reflection Script)」という、Biz/Browser用に開発された独自のスクリプト言語である。独自と聞くと互換性や習得コストに懸念を感じてしまうが、その心配は不要だ。CRSそのものはテキストファイルであり、記法がJavaScript文法互換なので習得は容易である。それに、Biz/DesignerがCRSを生成するので、コーディングが必要になるのは微調整など、限られた場面にすぎない。 Biz/Browserは、Webサーバから読み込んだCRSをローカルにキャッシュする。同じアプリケーションであれば、次回からCRSの読み込みを省略するので入力作業開始までの時間が短縮されるほか、オフラインでも利用可能だ。ローカルにCRSを残したくなければ、自動的に削除する期間を設定することも可能だ。 なお、毎回WebサーバとローカルにあるCRSの最終更新日を比較するので、設計に変更があれば自動的に最新版をダウンロードしてくれる。
「業務システムとなると、それまでの快適な使い勝手が頭にあるから、これまで出来たことは最低限出来なければなりません。何よりもBiz/Browserはインターネットに接続できる環境で業務システムを動かせること、オフラインでも業務が継続可能なことに大きな意義があります。入力中はローカルで処理するので、Webサーバにはほとんど負荷が掛かりません。サーバに特殊なタスクやプロトコルを実装する必要もありません」
2003年1月29日には、Biz/BrowserとBiz/Designerの新バージョンであるV4の出荷が開始される。業務システムを実現する機能はV3で完成していたが、V4では特に開発支援機能の充実とWebサービスとの親和性が強化される。 V4で特に目を引くのが、XMLを中心とした標準技術の積極的な採用だ。これにより、業務システムとWebサービスの融合がより実用的になるだろう。DOM Level3 CoreやXPath機能を先行して実装したほか、Namespaceやノード検索機能が大幅に強化されている。 Webサービス利用の即戦力となるのが「WSDL for CRS」だ。これは、特定のサイトにあるWebサービスの定義ファイルであるWSDLを取り込み、定義されている入出力メソッドをBiz/Browserで扱うファイル形式として自動生成する機能である。複雑な手間をかけずに、外部サイトのWebサービスを自社アプリケーションに手軽に取り込むことができる。例えば、Webサービスでダイヤや料金を取得する交通費精算アプリケーションを構築したり、外国為替や株取り引きのWebサービスを提供するサイトと連携するなど、業務システムの可能性がさらに広がる。Biz/Browserでは、業務システムの堅実さと標準技術のメリットが見事に融和している。
バージョンアップによるそのほかの変更点を簡単に紹介すると、
が挙げられる。 クラスのアーカイブ化とは、複数のCRSファイルを1つの「アーカイブファイル」に圧縮する機能である。クラス群をアーカイブ化することで、再利用性とデータ送受信効率の向上が見込める。デバッグ機能で注目したいのは「プロファイル機能」だ。これは機能の実行回数や実行時間をレポート表示する機能で、問題発見に役立つだろう。 UI機能では、COMBO BOX、LIST VIEW、関連するファイルへのリンクをアイコン表示するIMAGE BUTTON、MASK EDIT機能が追加される。MASK EDITは、かつてはメジャーな日付け入力方式だったが、Webブラウザでは実現が難しいためフィールドを分けたりエンドユーザーにYYYYMMDDで入力するように促すことが多かった。また、イメージデータ(JPEG/PNG形式)処理機能が強化されるので、さらに表現力が向上する。
Webベースであることの長所を生かし短所を補うものがリッチクライアントであり、最良の業務システム実現を追求したリッチクライアントがBiz/Browserである。まずは、使い勝手と開発のしやすさを体験してみることをお勧めする。 |
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