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国産ネットワーク機器ベンダが アンリツネットワークス@Interop |
Interop Tokyo 2008に出展するアンリツネットワークスは、通信装置・計測機器の老舗ブランド「アンリツ」の、情報通信機器セクションが分離、グループ会社として2006年に独立した。Interopにはこれまでアンリツグループとして出展していたが、今年はアンリツネットワークス単独で通信機器を中心に出展する。
アンリツ自体の歴史は古い。元々は無線装置や電電公社時代の伝送装置、公衆電話機などを手がけており、歴史を紐解けば明治期までさかのぼることができる。1998年頃から電気信号を使ったレガシー伝送装置からIP系の通信装置へのシフトをはじめたが、海外の通信装置ベンダーとの差別化を図るため、特に通信の高品質化への取り組みを強化してきた。これは、もともと測定器を手がけていたことや屋外の監視カメラ用通信インフラに携わっていたことから、通信の精度やハードウェアの堅牢性・信頼性には格別のノウハウを持っていたという同社の歴史に深く関係している。
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MultiFlow 10K Type II |
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キャリア向けギガアクセス伝送装置EC2068 |
監視カメラの映像は、途切れなく流すことが必須だ。そのため、従来は同軸ケーブルを使ったアナログ通信でインフラが構築されていた。これをIP化するには、通信断が起きても瞬時に回線が切り替わるなどのリカバリ性能が不可欠となる。アンリツネットワークスは、この切り替えを50ミリ秒という速さで実現するAQR++という独自のテクノロジーを持っている。その機能を搭載したL3スイッチとして開発したのが、マルチレイヤスイッチ「MultiFlow」シリーズだ。L2/L3スイッチの分野で今回出展されるのは、マルチレイヤスイッチ「MultiFlow 10K Type II」とキャリア向けギガアクセス伝送装置「EC2060シリーズ」である。
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再送のきかない音声や映像といったコンテンツの配信に高い性能を発揮するMultiFlowは、監視カメラを用いたネットワークインフラなどでの導入事例が多い。しかしこのような高品質通信は、テレビ会議システムやIP電話の導入、ミッションクリティカルな業務系アプリケーションのIP化などを背景に、一般の企業でもニーズが高まっている。
ただし、多くの企業ではすでに情報インフラを構築済みで、そのためだけにスイッチ/ルータを入れ替えることは現実的でない。そこで、既存の通信インフラを活用しつつ、通信の信頼性を上げるための帯域制御装置として開発したのが「PureFlowシリーズ」である。
この製品は、まずVOD(Video on Demand)事業者で採用された。有料でコンテンツ配信を行うからには、通信の品質は保証されていなければならない。とはいえ、ネットワーク全体を高品質化するのは負担が大きい。その要望に応えるものとして高く評価されたのである。ただし、一般の企業で利用するには規模が大きすぎるので、エンタープライズ向けとして開発したのが、今回展示するトラフィックシェーパー「PureFlow GS1」だ。
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アンリツネットワークス株式会社 ソリューションマーケティング部 課長 森一弘氏 |
企業のIPインフラの多くは、まずメールシステムを導入したいなどの動機で構築されているため、パケットが届かなければ再送すればいいという精度で構築されている。そこに、後からテレビ会議システムなどを導入すると、テレビ会議を開始した瞬間にトラフィックが激増しその品質が落ちるという現象が起きやすい。また、昨今は毎日のようにOSやアプリケーション、セキュリティツールのウイルス定義ファイルなどが更新されるが、このトラフィックがばかにならない。これらのトラフィックと業務に必要なアプリケーションのトラフィックを区別し、その品質を確保することが課題としてクローズアップされている。PureFlow GS1は、多くの企業で利用されている100Mbpsのファストイーサ版で100万円を切る導入しやすい価格設定となっている。
また、CATV事業者向けの帯域制御装置であるフェアシェア「PureFlow FS10-CATV」を展示する。公平制御は通信事業者やサービスプロバイダの間で今最もホットな話題だ。中でもCATV事業者は地デジ対応を含むテレビのデジタル化を求められており、インターネット事業への追加投資が難しい環境にある。そのため、トラフィックの増大に対して回線帯域の拡張という策での対応が打ちにくく、既存の帯域を有効に利用したいというニーズも高い。さらに今回、参考出品としてCATVインターネットサービスを広帯域化する新通信規格(wideband)に対応したオプション・ソフトウェア(6月末発売予定)を展示する。
その他、今回はレガシーな通信設備をIPネットワークに接続するためのIP変換装置なども出展する。マルチIFコントローラ「EC2700A」、IPアダプタ「EN303C」、HUB内蔵ESコンバータ「EN5001A/B」といったものだ。すでに導入している旧来のアナログ系システムで不便がない場合でも、公衆網側がIP化が進展しており、IP網への無理ない接続ニーズが高まっている。
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さまざまな状況から、IPネットワークの高品質化は後戻りできない流れとなっている。これから新規にネットワークを構築するならば、MultiFlowのようにQoS機能に優れた通信機器を利用することがお勧めだが、既存のネットワークに機能を追加するならば、帯域制御装置を付加的に導入するというのがより良い選択肢だろう。ちまたの帯域制御装置は海外製品が多いが、日本国内のIPネットワーク状況と欧米のそれとは大きくことなる。このため、日本のブロードバンド環境に合ったQoSを提供できる国産製品として、アンリツネットワークスのPureFlowシリーズは優位性があり、多くの導入実績を持っている。
また、サービス部門を持つ同社は、レガシーのユーザーに対するコンバータ、マルチレイヤスイッチ、帯域制御装置の販売とともに、システムのインテグレーションを含めて提供できることが特徴だ。官公庁の他、公共交通機関や金融機関といった社会インフラを含めて導入実績を誇る、高精度の帯域制御装置と高品質なネットワーク構築を実現する通信システム群、レガシー装置を容易にIP化するIP変換装置群を、Interopの会場で確かめていただきたい。
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提供:アンリツネットワークス株式会社
企画:アイティメディア
営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2008年6月30日

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